SS 「恐怖!見えるラリパッパの幻覚」

自分の小説家になろうより転載(薬物描写とかで消されそうなので)

アフリカ中央部、ヴィクトリア湖の鏡面平行世界にライトニアという国があることをあなたはし知ってますか?首都はキパハルヒ、人口560万人、面積は20万平方キロメートル、全域が約標高2000m級の高原地帯にあるので赤道直下だ非常に過ごしやすい気候なので暑さにくたびれた裕福なスーダン人やジブチ人が避暑地として別荘を持ってたりする。
俺は薬剤師。新種の幻覚作用のある薬草の発見がキバハルヒ近郊の森に存在するときいた。原住民はこの草をラリパッパと名付け、風邪にも生理痛にも癌性の痛みにも使っている。また、高山病にもよく効く。ラリパッパはライトニアの火山灰由来のアルカリ性とカリウムに富んだ土壌と、年中常春で湿度の高い一部の地域でしか存在できないデリケェトな薬草である。
俺は飛行機でコンゴの首都キンシャサへ行き、そこから3日かけてバスでライトニアへ向かった。地面は舗装されてなく、食べ物は芋虫のカルパッチョなどあんま俺好みではなかった上にマラリアにかかり気分はあんま良くない。
ライトニアについた。北京の故宮を想起させる巨大な宮殿、直径数キロメートルのアクリル製のギザのピラミッド状のグリーンハウス的なとこのなかにある未来都市、なにもかもが俺の想像を遙かに超えていた。通訳の人とメイドを雇い(米ドルも使えた)ホテルで1泊した。ホテルも凄まじい。壁全面が有機ELで覆われており自分の気分に合わせて超立体音響とともに凄まじい超空間を演出する。出前のマジカルスターダストピザを食べ、ピンクフロイドの狂気を聞きながらを俺は瞑想した。ここは桃源郷だ。
翌日、通訳、薬草ガイドとともにラリパッパ原産地へ向かう。山岳向けガチ装備で準備したのだが…予想外なことに原産地までの道のりは完全に舗装されており、さらに道が動いた(用は動く歩道)。周りにそびえる大地溝帯の3000m級の山岳を肴に、俺は清水の如き空気という酒を飲み、俺は1時間ちょっとで原産地に着いた。
原産地はとんでもない場所だった。植物以外がすべて有機ELで粒子のようなもようが絶え間なく動いている。ガイドに説明を求めたが、国家秘密と答えたきり、なにも伝えてくれない。
ラリパッパは思ってたよりも地味な草だった。ドクダミと大麻を半分で割ったような地味な草だ。群生しており、あたり一面ラリパッパだ。俺はこいつの葉をちぎり、汁を吸うように一枚食べた。
数分後、地面は融解し、空を飛ぶ鳥は全裸の天使の群れとなり、極彩色の有機ELが立体映像として俺の脳内へ直接通信する。スクリャービンだ。神秘的な和音の交響的音楽が4時限的に俺の身体を包み、不協和音の痛みが性的、そして原始的なエクスタシーを与える。有機EL上には12、13歳くらいのアルビノの少年少女たちがアクリル製の管弦楽器で光悦音楽を奏でる。後ろからさらに幼い園児たちが天使のコーラスを歌い、俺は真のエクスタシーまで昇った。陰茎から精液を射精し、肛門からうんこを放出し、眼球から眼球がぴろりとおち、髪の毛はすべて毛穴ごと抜け、歯は抜け、自律的に動き始め、蝶の群れとなる。俺は死んだ。自殺よりも深い自殺でザーメンの海を方舟で泳ぐノアだ!俺は神だ!標高7000m!どこまでもあがっていく。世界の大陸がすべて矮小に見える。俺はついに宇宙空間、そして惑星間を泳いでる。水が滴る。

鼓動。止まらない。

ショパンの幻想曲49の冒頭がエンドレスで流れてる。

目が覚めた。

俺は素っ裸でよくわからない荒野にいた。ああ、帰る場所なんかわからないよ。有機ELたちは色が焼き付き、ムンクのグロい絵みたいなのを延々と映してる。

ここで死ぬのか。俺。

ラリパッパは無数に群生している。そして、俺はおそらく致死量である量のラリパッパを摂取した。

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