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(1)普段おこなっている活動は?

私は教員として、公立小学校に勤務しています。子どもたちと一緒に学びを深める毎日です。また、定期的に自分が主催するサークル「マナビトの会」で、教員の仲間と学び合っています。

(2)WSD受講のきっかけは?

WSDはSNSを通じて知りました。案内が目に留まり、アクセスしてみると、自分がこれまで接点のなかった世界が広がっていました。ちょうど日本の学校現場は、新しい教育の形に舵を切ったばかりの時期でもありました。また、自分の中で、今後のキャリアを考えていた時期とも重なり、WSDの世界に飛び込もうと決断しました。 受講にあたって、まず不安だったのが平日も含めた120時間を最後までやり遂げられるかということでした。特にブルーコースの場合、平日は夜の受講となります。職業柄、夜も様々な研修や対応があるため、その点は不安がありました。ですが、WSDのオンライン説明会に参加することで多くの不安が解消されたように思います。修了生の話を聞いたり、事務局のスタッフに質問したりする中で、まずWSDの雰囲気のよさを実感できました。また、プログラムの内容なども確認することができ、受講決断の手助けとなりました。

(3)オレンジコースとブルーコース、選んだのはどっち?

フルオンラインのブルーコースを選びました。私の住まいからは、始発の電車に乗ることで、青山学院大学の渋谷キャンパスまで通うこともできる距離でした。そのため、最後までオレンジコースの受講と悩みました。ちょうど、私が受講を検討していた時期は、コロナ禍の真っ只中でオンラインによる活動の場が広がっていた時期でもありました。なので、すべてオンラインのプログラムを経験する方が今後の自分のスキルに活かせることも多いと思い、ブルーコースの受講を決めました。さらに、学校現場でもオンラインによる授業が求められていたことも、決め手のひとつでした。オンラインによる学びの場づくりをまずは自分自身が経験したいと思ったからです。

ブルーコースを選んだことで移動時間など考えることなく、自分の時間を学ぶ時間に集中して使うことができました。また全国をはじめ、海外在住の受講生もいたため、全国にたくさんの仲間ができました。この多様性こそ、私が求めていた学びの世界であり、ブルーコースを選んで本当に良かったと思う点です。空間だけでなく、時差なども超えて、仲間と共に学ぶことができる機会は、まさにオンラインの特長だと思いました。一方、オンラインは家族の理解も必要だと感じました。オンラインで受講している間は、家にいながら家にいない訳です。時間の使い方など大変な面もありました。また使用するデバイスの性能不足や、まるで天気のようにその日のインターネット環境などに左右されることもありました。トラブルがあっても「オンラインあるある」と、事務局の皆さんにたくさんサポートしていただき、安心して受講できました。

(4)WSD受講で最も印象に残っていることは?

本当に充実した3か月間だったので、たくさんあって選べません(笑)。あえて挙げるなら、新井英夫さんのワークショップです。オンラインでありながら、身体性や即興性など、まるで対面で参加しているような感覚に衝撃を受けたと同時に、オンラインによる学びの可能性の広がりと深さ、将来性にワクワクしたことを今でも覚えています。また、演習を通じて、仲間と共につくり上げたワークショップも心に残っています。与えられた時間だけでは足りず、夜遅くや朝早くなど都合を合わせて、チームでオンライン会議や準備をしました。チームで納得解に至るまで、よく話し合うことも大きな学びになりました。大変でしたが、演習をやり遂げた充実感や達成感は、オンラインでも十分に味わえたと思います。演習後に、仲間とオンライン上で打ち上げをしたことも良い思い出です。

(5)現在の活動に活かしているWSDでの学びは?

今の学校では、アクティブラーニングによる「個別最適な学び」と「協働的な学び」が求められています。これらは、私の研究領域である生活科や総合的な学習の時間の中で、以前から大切にされてきた学びの姿でもあり、この流れに新しさを感じてはいませんでした。しかし、本当に子どもたちにとって、将来的に使える力を身に付けることができているのか、学校の文脈でしか通用しない学びになっているのではないか、という課題意識は常に自分の中にありました。今回、WSDを受講したことを通じて、子どもも大人も、学ぶ姿や学び方に違いがないことを、私自身が経験知として得ることができました。これは大きな財産であり、学びの場づくりする上で自信となりました。この経験を生かす場として、まず校内の職員研修にワークショップの手法を取り入れています。もちろん、普段の授業の中でも、子どもたちの学びの場づくりの視点として、WSDで学んだことを活かす場面は多いです。

(6)WSD受講を迷っている人へのメッセージを!

もしWSDの受講について迷っているのなら、ぜひWSDの世界に飛び込んでみることをお勧めしたいです。人生は学びの連続だと思います。ワークショップを通じた豊かな学びの場づくりは、ご自身の豊かな学びにつながるはずです。よき学び手は、よき人生も送れると、私は信じているからです。

(7)これからの展望は?

ワークショップの世界をもっと教員に広めたいと考えています。そうすることで、子どもたちも、教員自身もより豊かな学びの世界を楽しむことができると考えるからです。そのため、校内の職員研修をよりワークショップ的にしていきたいです。
さらに、私の主催する教員のサークル「マナビトの会」の中でも、ワークショップを取り上げて、その学びの深さを共有していきたいと思います。また現在、WSDの同期と一緒に、様々なワークショップに挑戦しています。学校とは無関係のフィールドで活躍されている仲間と共につくる学びの場づくりは、とても刺激的です。この仲間たちとの出会いを大切にし、教員や子どもたちをつないだ新たな学びの場づくりにも挑戦したいです。目標は、WSDとして「人や地域の結び目」になること。夢は膨らむばかりです。

「子どもも大人も、学ぶ姿や学び方に違いがないことを、私自身が経験知として得ることができた」とおっしゃってくださった田中さん。学校現場や主催されている教員サークルに加えて、WSD同期とも場づくりをされているとは、これほど嬉しいことはありません。これからのご活躍を応援しています。ありがとうございました!