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気血水(津液)の話②

気血水の働きの続きです

前回、「気虚」「気滞」「血虚」「瘀血」「津虚」「水滞」は身体のどんな状態なのかを少しだけお話しました。
今回は、もっと具体的に「気血水」の話をします。
順番でいくと「気」から始めたいところですが、
イメージしやすいので「血虚」「瘀血」からスタートします。

血虚は栄養不足


「血」は「ち」ではなく「けつ」と読みます。
「血虚」は「けっきょ」、瘀血は「おけつ」。
血液とほぼ同じイメージ、身体中を巡り栄養と酸素を送り届ける役目です。
栄養素や酸素が血液を介して細胞に運ばれて、新しい細胞になり、酵素になり、身体の元になります。
例えば、ダイエット中で食べるものが不足している時や病気で食べられない時は、栄養不足なので血虚になりやすいのです。人間は食べたもので細胞ができてエネルギーになって動くことや考えることができるわけですから、血はとても大切な物質です。
血虚は、血色が無いので爪の色が薄かったり顔色が白っぽいです。
また血は潤いや水分でもあるので、肌や髪がパサパサになります。
食べることができても消化不良で栄養素に変換できない状態も血虚です。
栄養不足や酸素不足でフラフラしたり貧血になります。
もともと消化器系が弱い人や一時的に食欲不振の人は血虚とも言えます。

血が滞った状態が「瘀血」です

食欲はあり消化器系も元気で血は充分に足りていますが、血がなんらかの理由で正常に巡らない状態です。
ストレスや冷えは血流を悪化させたりドロドロにさせますが、それが瘀血を引き起こす原因の一つです。
シミも瘀血と言われています。考えてみたら赤ちゃんや若い子にはシミがありません、瘀血と無縁な年代がうらやましい。
痣ができやすくなるのも瘀血です。なんでもない痣もあれば病気の原因になる痣もありますので、瘀血と言っても原因を探していかなければなりません。
打撲で痣ができるのも一時的な瘀血です。「血打撲一方」という漢方薬があります。
月経痛も瘀血の症状です。腹部に血が滞っているために痛みがあります。
顔や唇の色は、血の滞りなので白でなく青紫のような色になります。
血を流す力がない(気虚)、血が足りなくて流れていかない(血虚)、強いストレスで血流を留めてしまう(気滞)などから二次的に瘀血になることもあります。打撲以外では最初からの瘀血はなく、ほとんどが二次的に瘀血になると言われるのも良く分かります。
血は栄養であり温かい体温でもあります。それを考えると冷え症は血のトラブルでもあるのが良く分かりますね。
更年期の女性の多くの悩みが、血虚や瘀血など血に関係することが多いのも納できると思います。

血にはもう一つの役目があります

血には、もう一つの働きがあり「精神活動の素」になります。
血不足が精神面に影響すると、不安感や不眠、情緒不安定などがあります。
例えば更年期の不定愁訴を挙げてみると、不眠、イライラ、記憶力減退、動悸、不安感などがありますが、この症状が血不足(血虚)です。
血は、陰陽では陰になります。
陰は身体の下部に行きやすいので、上部は陽が集まりやすくなります。
ほてりや頭のふらつき、目のかすみなどは、頭部の陰陽のバランスの乱れで頭部の陽が多い状態(陰虚)が表れます。
血不足は、月経血も少なくなりそのため月経周期の期間が長くなります。
筋肉は充分な血が必要なので、血虚は筋肉を滋養できなくなるため、筋肉の痙攣や場合によっては手足のしびれが起きます。
血不足による筋肉の痙攣はこむら返りが分かりやすい例ですが、
急に無理な運動をすることで、急激な血虚が起こりふくらはぎが痙攣します。

以上、簡単ですが血虚と瘀血の話でした。
次は気虚と気滞の話をします。













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