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今エチオピアがざわざわしている理由

昨日からの騒ぎの正体が少しずつ見えてきている。いくつか見たなかでは、アルジャジーラのこちらが分かりやすい(以下の引用は全てこちらから)。

オロモ人の若者たちがジャワル・モハンメド氏支持のために各地で抗議行動をしている。

このジャワル・モハンメドとはどのような人物なのだろうか。

Jawar, who was born in Ethiopia but holds a US passport, founded the Oromia Media Network[. ] (略) From 2016 to 2018, he used social media to organise strikes and protests that piled pressure on the government and led to the resignation of Abiy's predecessor in February 2018.

筆者訳:ジャワルはエチオピア生まれだがアメリカのパスポートをもち、オロミア・メディア・ネットワークを設立した。(略) 2016年から2018年にかけて彼はソーシャルメディアを使用して政府に圧をかけるストライキや抗議行動を組織。2018年2月にアビィ首相の前任(ハイレマリヤム氏)を辞任へと追い込んだ。

メディアの創設者であり活動家でもあるようだ。今回の騒ぎは彼が「自身の安全が脅かされている」という旨をFacebookに投稿したことでオロモ人の支持者が集まったことに端を発する。
首都では「アビィは辞めろ!」の大合唱をしているそうでいる。

このジャワル氏も、民族としてはオロモ人である。
南部諸民族州ワライタ族のハイレマリヤム氏を辞任に追い込んで今はオロモ人のアビィ氏が首相をやっているのに、なぜ反アビィの運動が起こっているのか。

2人の考え方が違うのだ。

アビィ氏はオロモ人だが、民族に関わらず「1つのエチオピア」を目指している。国民のアイデンティティを民族ではなく「エチオピア人」にしたい。そのため各民族とのバランスを意識する傾向にある。先日ノーベル平和賞を受賞した際は、この点も評価されていた。

一方ジャワル氏は「オロモ第一主義」を掲げている。オロモ人は国の1/3を占めるにも関わらず、今まで政治的な実権を握ることがなかった。アビィ氏でやっとオロモ人首相が出たというのに、バランス型の彼のもとではオロモ人に恩恵がない。これに不満をもつ人々がジャワル氏の元に集まっているのだ。

ジャワル氏は首都にいるのだが、オロミア州各地とオロモ人の割合が高い私の任地でも抗議行動は行われている。
各地で死者・負傷者も出ているらしい。

ちょっと…今ここに載っけるために最新情報調べたら、増えてるし任地周辺だけで10人弱亡くなってるじゃないか…。


ここにいるといやと言うほど思い知らされる。民族が問題(matter)だと。

これほどカッコつけでも中二病でもなく「人はなぜ争うんだろう」と思ったことはない。
自分事になったからだ。

しかし、ジャワル氏がアメリカパスポートでオロモ人を率いているのは気になる。
アビィ氏も以下のように語っている。

"Those media owners who don't have Ethiopian passports are playing both ways,"
"When there is peace you are playing here, and when we are in trouble you not here.["]
"We tried to be patient. But if this is going to undermine the peace and existence of Ethiopia ... we will take measures. ["]

筆者訳:「エチオピアのパスポートを持たないメディアオーナーは都合のいいように行動する。」
「平和な時にはここ(エチオピア)で活動するし、我々が困難の中にいる時にはここにはいない。」
「忍耐強くあろうと努力する。しかしエチオピアの平和と存続を脅かすようであれば…しかるべき手段をとる。」


私が探した限りでは、日本では話題になっていない。まぁそれを見聞きした両親を心配させてもなんなので、いいような悪いようななのだが。


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