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巣箱

   巣箱


トラ猫はある日、大工さんに会うと、
「いつ頃

今のお仕事に出会ったのですか」
と聞きました。

その時大工さんは、
巣箱を作っていました。

お仕事で他の町へ行ったり、
東京に行っていると思っていたら、

もう材木や道具の
手入れをしていることがありました。

作業が終わり、
ほうきで辺りを掃いている時に、

その猫からタケノコを貰うと、
「ありがとう。

この間は
あまり時間を取れなくてごめんね。

質問に答えようか」
と言ったのですが猫は、

「もういいんです」
と普段使っているお茶碗を見せました。

大工さんは、
「君の器が大きいと」

「ううん違う」
「あなたは、いくら褒めても、

疲れがある日もあるでしょう。
それでも決して仕事が悪くならない」

とトラ猫は言いました。
大工さんは何も言わず頭を少し下げ、

ほうきをまた動かしました。

良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。