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平成最後の日に思うこと

この平成がどういう時代だったのか平成元年生まれなので比較ができずよくわかっていないが何となくな自分の平成という時代について書きたいと思う。

スーパーファミコンやたまごっち、携帯電話など私が子供頃の懐かしいあれこれが、きっと平成の風物詩だったんだろうとは思うところだ。

洗濯機、冷蔵庫、掃除機なんて当たり前、無駄に時間を使うような機械にお金を使う時代になったのだ。そんな、あれこれ便利になったはずなのになぜか人々は浮かない顔をしていた。それが私の平成のイメージだった。

たまに地方の温泉街に行くとバブルの遺産のような古い看板や、廃墟と化したバンガローや寂れたスナック街があるが、これが昭和の成れの果ての今、平成という感じた。

私は高校生の頃アジカンやBUMPOFCHICKENにハマっていた。ネガティブで暗い感情を余すことなく歌い尽くす藤原基央の歌詞に共感して酔いしれていた。

今の若い世代が米津玄師にハマるみたいな感じだと思う。友達はどちらかといえばゆずを聞いていた。歌唱力の高いフォークデュオとかが好きで「友達サイコー」な感じの歌が好きだった。話を合わせて聞いていたけど実は全然気が合わなかった。

今では考えられないが私が携帯電話を持ち始めた頃、地元では家や駅意外のほとんどのエリアで圏外になるものだった。それが今はスマフォになって自由にネットが見られる。そして自由にいつでも買い物やチケットの予約ができる。すごい進歩じゃないだろうか。

こんなすごいテクノロジーの恩恵に肖る社会は平成元年生まれの私にすらすごいと思うのに、今のティーンズたちはおそらくそれが当たり前なんだろうと思う。平気でデバイスやアプリを使いこなし、独自の文化圏に身を置き、挙げ句の果に起業まで成し遂げてしまう。そんな恐ろしい世代とどう対話して、どう向き合っていくのだろうか。すごく悩ましい今日この頃だ。

昔みたいに「若いくせに生意気だ」という押さえつけの縦構造は絶対に通用しないばかりか、のちのち自分の身を危険に晒すことになるだろう。

若い世代が考える新しい未来を、経験と技術豊かな年上世代が上手にプロデュースやエスコートして実現させていくという未来になるのかもしれない。

そして体力も衰え、知能も衰える年代になった時、自分がどう社会に関わるのだろうか。現役を退き一日おきの清掃とか警備とかのアルバイトをひたすらにこなす老後が豊かな老後かどうかというところでもある。

経験も実績も露と消える世代になった頃、本当の孤独を知る。その時、今まで自分との対話をどれだけしてきたかが試されることになるだろう。

煮魚、焼き魚、豚汁、肉じゃが、おでん。お袋の味と言われた家庭料理はいつでもコンビニやチェーンの定食屋で食べられる。しかしそれを作っているのはほとんど片言の外国人だ。

農村では研修生という名目で、都会では留学生がバイトとしてそういった日本の食を支えている。

しかし彼らの顔は日本人以上に非常に生き生きしている。逆にそれを食っている日本人はどうなのだろうか。

迎える新元号「令和」は「一人ひとりが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせること」という願いを込めたという。平成は決して明るい時代ではなかったねという見解が少し垣間見れる。

梅の花は私が学生時代過ごした金沢兼六園では雪の残る時期に咲く花だ。春の訪れを感じさせる象徴的な花。このイメージは古来から日本国民に刻々と刻み込まれていることだろう。その花をそれぞれ咲かせるようにという号令が「令和」であると私は意味づけをしたい。

今日は何か特別な感情に浸れるかと思ったらそうでもなく。昨晩はそんなことも忘れていて遅くまでYOUTUBEを見ていたせいで、寝坊して慌てて家を飛び出る始末だった。

霧吹きで吹いたような雨が朝から降り続いている。平成最後の日はなんとも煮えきらない天気だが、妙にそれが居心地良くも感じる。

東京の街は一段ととにかく人も車もまばらでスッキリとしている。オフィス街赤坂はスーツの人も見受けられるがゆったりとした時間が流れている。いつも火曜日の今頃は混み合うはずのドトールコーヒーも空席が目立つ。

そのなかで警察官がそこら中で道行く人々を監視していて、検問もいくつも敷かれて厳戒態勢という感じで対照的だ。

一昨日の深夜自転車で皇居の堀沿いを走っているだけで警備の警察官にライトを照らされたりもした。それだけ、この節は国家にとって大事なことなのだろうと感じた。

この不自然な10連休は東京から人を追い出すためだったに違いない。そうとも思えてくる。

国民のほとんどが知らない秘密の儀式を常に執り行い、この国の存続は守られてきた。それがこれからも続くのだろうなと人気のない東京でそう感じている。そんな平成最後の日が暮れていく。

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