3色の誘惑

アクアフレッシュという歯磨き粉があって、小さい頃それを見てはとても驚いた。なんと赤、青、白の3色が一体となった歯磨き粉なのだ。
歯磨き粉といえば子ども用のキシリトール味なる白色のシンプルなものしか使ったことが無かったので、3色もあったらいったいどんな味になるのかと好奇心をそそられた。
赤はイチゴ、白はキシリトールやミントだとして、青っていったい何だろう。当時は想像もつかなかったし、今も想像がつかない。そもそも歯磨き粉が3色である必要がないのだから、なんとも不思議な存在である。

目的も、味もさっぱりわからないけど、やっぱりなんだか気になるものである。母におねだりをしたときもあったが、断られた。懸命な判断だったと思う。わけがわからん歯磨き粉だから。

時が経ち、一人暮らしをした時はアクアフレッシュを選ばなかった。もっと経済的な歯磨き粉の方を選んだからである。好奇心は学生の慎ましい暮らしに敗れた。

今も歯磨き粉はアクアフレッシュではない。アクアフレッシュの味を知ることが人生に寄与しないと思っているからだ。大人になると虚しい考えになるのかもしれない。


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職場で使う歯磨きセットをアクアフレッシュにしようか迷ったことがありました。でも、今じゃないなと思って何となくやめてしまいました。まだ「その時」は来ていないです。

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