あなたの刺繍と、人形たちの家と、
あなたの靴底を彩る妖精たちと、
あなたの絵と、キルトの壁掛けと，
あなたの丘を包む空想の森の前で、
魔法使いと踊る、魔法使いと踊ると、
魔女の鏡はあらゆる秘密を暴露し、
あなたの召使いは毒リンゴをシャーベットにする。

あなたの針刺しと、花柄のブラウスと、
あなたが塔の上から垂らす長い髪と、
あなたの宇宙と、川辺での昼食と、
あなたの鍋で煮た蝙蝠と肝臓に囲まれて、
魔法使いと踊る、魔法使いと踊ると、
眠れぬ瞳がシルクのストールに巻かれ、
ぬくもりの中、夜が小さくしぼんでいく。

あなたの毛糸と、山羊の頭のスープと、
あなたがクーデターで奪われた城と、
あなたのウイスキー・バーと、奇妙な日々と、
あなたの紫色の煙に包まれた真っ赤な家で、
魔法使いと踊る、魔法使いと踊ると、
空飛ぶホウキは間違えた星に引っ掛かり、
骸骨が取れた腕でギターを弾き始める。

あなたの涙と、生への戸惑いと、
あなたの弟子たちが贈る声援と、
あなたの消去法と、清潔に保たれた部屋と、
あなたの太陽と、あなたの月の下で、
あなたの呪文書の、最後の章の、
墓場から死者たちを蘇らせたら、
マーク・ボランとともに、
ルー・リードとともに、
ジュディ・ガーランドとともに、
ジンジャー・ロジャースとともに、
H・G・ウェルズとともに、
フランツ・カフカとともに、
小津安二郎とともに、
ジョージ・A・ロメロとともに、
あなたの死んだ妹とともに、
私の死んだ兄とともに、
魔法使いと踊る、魔法使いと踊ると、
魔術師見習いは心のままに共感し合う、
愛しい人が空気に消える切なさを。