また会おうね
枯れてしまったラベンダーを見て、諦めと後悔と怒りを感じた。
どうして枯れてしまったの?もっと頑張れなかったの?
元気がない。枯れている。そんな状態の自分にも同じことを言っているのだと思った。
最後のあがきで土を変え、肥料を与え、枝を切り生きている部分がないか確かめ、それでもなお枯れたことを認められなかった。いつかまた、緑の葉を見せてくれると期待した。
諦めず手を尽くしたことで得られる喜びを感じたかった。
いつか信じた希望は叶うと思いたかった。
片想いに似ていると思った。
尽くし続けていれば、いつか。
向き合い続けていれば、いつか。
相手が今どんな状態なのか見もせず、
ただ自分の気持ちを押しつけていた。
振り返れば、ラベンダーの日頃の世話を怠っていたし、
水やりを忘れていても、なんとなく、元気でいてくれると思っていた。
その積み重ねで枯れてしまった。
枯らしてしまった事実を受け入れた後、花屋に行き、新しく花を買った。
ミツバハマゴウという、ラベンダー色の、可愛い小さな花をつける木だ。
実もつけるらしい。
店員さんにラベンダーを枯らしてしまったことを伝えたら、
「頑張ってお世話してくださいね」と言ってくれた。
新しい花と向き合っていこうと決めた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?