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妄想散歩@おれは北朝鮮兵士編20230211sat231

885文字・35min

歩いたコースは事実ですがフィクションです。

体調は悪く昼の時報で起きた。重い身体で掃除をおえてネコと少しあそぶ。切符を求めにとなり町のみどりの窓口へと外にでる。

12時45分

1時間をかけて杵築駅に。

13時45分

駅員さんは、当日のぼくのロードバイクとネコを抱えて駅構内を移動する手間を考え、どの車両でどの席がいいかを按配してくれる。きた甲斐があった。人情だなあ。柄にもないことを思う。
帰りは銭湯によろう。
駐輪場でタバコを吸っている男と目が合う。
(こいつは、やるな…)
ぼくは鍵を外しながら横目で男の挙動をうかがう。
駅のベルが鳴る。
すると男はタバコを地面に落として踏みにじる。
(やったな!)
昨年、軽の窓から灰皿をつかんだ腕がでてタバコの灰をひっくりかえしたあの怒りが、爆発的にわきあがる。
(田舎もんがァ! 携帯灰皿モテやッ!)

彼がトリガーになって今日の妄想散歩のアイデアは浮かんだのだが…

おれは決めた。帰りは北朝鮮兵士になる。
この田舎の街を破壊し尽くしてやる。
自転車をけとばしてドミノ倒しする。

民家の更地になった土地にある地蔵に、唾と立ち小便をかけ、落ちていたトンカチで首を落とす。

防衛庁共済組合の海の家を見つけ、二階と自販機の裏に「コレハ北朝鮮製ハムニダ」とマジックでかいた原子爆弾を仕掛ける。

銭湯「いこいの湯」。
五百円を払って入場してまず座敷へ。
窓の外のうどん屋を睨(ね)め、昨晩作ったサンドイッチをほおばる。
「カツ丼が食べたいニダ」
心でぼやく。
座敷で横浜マリノスとヴォンファーレ甲府戦を、知った顔でテレビ観戦する二人の前で
「まるで高校サッカーだな」
と毒づいて、男湯ののれんをあげる。
裸になって
「ガラガラガラ…」
メガネが曇る。
レンズは湯けむりに慣れる。
老人どもの、たるんだ生気のない白い皮膚、ゆで卵のようにでっぷりでた腹にささる割り箸のような足…
俯瞰してみるとそれらの体型にゾッとする…

ここはまるで《アリスと不思議の国》だ…ハンプティダンプティ…赤の王…白の王…見ようによっちゃあ、水木しげるの妖怪の世界ニダ…

イマオレは北朝鮮ノ工作員ニダ
アア放尿ノ快楽ニダ…




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