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被せてくる港区の女 / 20240425thu(400字)




昼前。雨。
マッチングアプリを開く。
うな垂れる。
体重を訊ねてきた女だ。
返答に困る。太った体重を気にしているのだ。
これをデリカシーというのか。
「体重がなにか… 」
時間を置いて答えた。
「体重に合わせての運動がいいですよー」
僕のプロフを見たらしい。
彼女のプロフを見る。

五十二歳。港区。大卒。外資系企業。
海外へは五十五カ国に行った。機内でCAに声をかけられます。
旅行相手探し。食事に行きたい。ゴルフ相手が欲しい。

自分の話しかしない。対話は基本スルー。
マウントを取る。会話が成立せず。

「真面目に愛し合わない人っているの?」

返答に窮す。

「平和な国では皆口ばかりです。愛する人が兵士とか交通事故死とか事件に遭ったとかは皆無。結婚したけど愛に向きあえなくて離婚。愛と真面目に向きあえば別れるのを知ってる。だからアプリで恋愛ゲームをやってる」


短歌:

飯ゴルフ
旅に温泉
たのしいわ
あなたクルマは?
あらザンネンね

解説:日記のオチ


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