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長男が海外進学した後の変化

長男が家を出て約1ヶ月。寂しい?不安?と時々聞かれるけれど、自分でも驚くほど何も変わらない。

今日、オランダにいる長男から久しぶりに電話が来た。何かあったのかな?と思ったら、店に料理酒がなくて菊正宗ならあるんだけど、これって日本酒だよね?と。「そうだよ」と答えると「わかった、じゃあね」と切られた。とりあえず、今日も生きているようだし、何か作るつもりなんだろう。

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変化といえば、次男と一緒に過ごす時間が増えた。

次男は勤勉な長男とは違い、驚くほど勉強しない。全くしない。何やらニヤニヤしているので「何を考えていたの?」と聞くと「働かずにがっぽがっぽ稼ぐ方法を考えてた」と言ったり、「僕はお兄ちゃんみたいに進学するつもりはないんだけど、海外で暮らすことは決めてるんだよね」と言ったり、まぁ自由だ。

誰かと争っているのでどうしたのかと聞くと、相手はバングラディシュ人だったり、モンゴルのアメリカンスクールのクラスLINEに入っていたり、謎の人脈を広げている。そろそろ自分の学校のクラスメイトの名前を覚えた方が良いような気もするけれど、彼らの時代はそんな感じなんだろう。

最近、次男はゲームの途中でも「荷物持つ人がいないから」と買い物に付き合ってくれたり、夕飯の手伝いをしてくれたりするようになった。休日は一緒に未来館にも行くし、中秋には月の出の写真撮影にも同行した。そして韓ドラを見ようよと誘ってくれるので、毎晩「愛の不時着」を見ている。

「この撮影、北朝鮮ではできないでしょ?どこでしてるんだろう・・・もしかしたらモンゴルじゃない?あ!調べてみたらやっぱりウランバートルだよ!」とか、「俺の韓国人の友達、やっぱり兵役行くんだろうね」とか、ずっと話し続けている。

私は次男が初めて歩いた日のこと、初めて発した言葉、何も覚えていない。お箸もいつの間にか持っていたし、小学生の長男が本に夢中になってウンチを漏らすのに、1歳の次男はおむつを自分で脱いでトイレに行っていた。長男が消えると、4歳の娘にベビーカーを預けて、長男を探し回った。泣き喚く長男を抱いて、クタクタになって公園に戻ると、4歳の娘が1歳の次男に一生懸命話しかけて待っていた。こんなに大変なのに、なぜ産んだんだろう、と何度も何度も思った。

あれから10年以上が過ぎて、いま次男と一緒にお茶を飲みながら韓ドラをみているなんて、あの頃の私は想像もしなかっただろう。

長男が海外に進学しても、私に大きな変化はない。でも、私たちはずいぶん進んできたんだな、とふと思う。