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高校3年冬。先生の彼女が微妙で張り詰める教室。

高3の、受験が終わった頃です。
僕の学校は大学付属校で10月には基本的に受験終了、卒業まで遊ぶぜイエイ!!な感じでした。

毎年のことなので教師陣も慣れきっています。

月曜朝の全校集会後、3年生だけ残されて毎週のように言われます。学年主任兼体育科主任兼生徒指導主任兼野球部顧問の先生が叫ぶのです。

「気を抜くな!!!」

と。でも教師陣の多くがわかっています。あくまで体裁。「だから言ったよね?」のためにこういうことをしているのです。(若いお兄ちゃん的先生が言ってた)

主にこの時期の教師陣は3パターンに分かれます。
まず、通常営業型。このタイプは受験前と変わらず淡々と授業をこなします。この手の先生は普段から感情をほとんど出しません。体育祭は90年代に流行ったジャージを着てテントで何かの見張りをするタイプです。教師の鏡です。

基本的に授業が眠いのもこのタイプで、現代文に多いです。ただ、僕らの先生の場合はですけど、ごく稀に見せる人間味がとてもキュンでした。ちょっとだけテストで出す問題を教えてくれたりしましたし、退勤後の私服姿は意外とカジュアルで渋谷にいそうだなあとか、そういうギャップもありました。

次に、放任型。これが最も多いです。このタイプは最低限の講義が終わったらさっさと切り上げて「自習で宜しく」と職員室に帰ります。自習する奴がいないのはわかりきっているけど騒いだ奴らを指導するのもめんどい、だから撤退。こんな感じです。

体育会系に多い印象です。僕らの場合は世界史や数学の講師に多かった気がします。彼らは「放任こそ最高の教育」というスローガンを掲げていることが多く、受験前も割と放置主義です。寝てても起こさない。多少ざわついていても無視。あまりにも態度が悪いと体育会系特有の「あの」オーラを出すのでほぼ無敵です。

そして、友達型。急に距離が近くなります。これは20代の兄貴姉貴系教師に多い気がします。割とグイグイ来るので最初は戸惑います。きっと、普段は調子に乗ると先輩に小言を喰らうので「教師」に徹しているのでしょう。これが本来のあり方なんじゃないかと思わないでもないですが、受験後の急接近もまあ面白い。結構、というか授業の8割は雑談になります。これから大学に進む我々にちょっと大人の講義をしてくれます。ある意味最高の授業。いいサークルの見極め方とか、1年時に単位をある程度取らないと大変なことにあるとか。

あとは結構恋バナもします。25歳の数学科講師のお兄さんは彼女の写真を見せてくれましたがかなり微妙で教室の空気が張り詰めたことをよく覚えています。ノリのいい女子が「え、優しそー!!」と言うまで誰も口を開けませんでした。

こんな感じで受験後に先生は人間に近づくこともあります。

本当の姿をちょっと見せてくれるこの時間は、最も身近に「大人」と接することができるとてもいい時間でした。

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