ファム

フィクション小説を書いているフィクションな人です。

ファム

フィクション小説を書いているフィクションな人です。

最近の記事

スナック 夕子 ③顔面性器

元カノの後釜でアルバイトを始めた。 まだわからないことだらけだ。 ママは夕子じゃないし、というか女性ですらない。 女性客はママに叱られて嬉しそうに帰っていく。 僕はしゃべりもうまくないのでママの横か裏でボーッとしているが、なんだかそれでいいらしい。 「あんた、最近暇なの?よく来るじゃない。」 「なんかまっすぐ帰りたくなくて。」 「それいいわね!毎日いらっしゃい!」 「なんかもう、色々めんどくさくて疲れたんです。」 「あらそう。まーねー、あんたみたいな子が一番

有料
100
    • スナック 夕子 ②婚活女

      元カノの後釜でアルバイトを始めた。 まだわからないことだらけだ。 店の名前はスナック夕子なのにママは夕子じゃないし男性だ。 男性、というか「見た目は」男性だ。生物学的に男性なのか、でも医療の力で男性らしさを上手いことあれしているかもしれないし、そうなるとなんと呼んだらいいのかわからない。とにかく夕子ではない。 夕子は"アオミユウコ"というオーナーの名前から取ったらしい。"アオミユウコ"が何者かはわからない。もちろん僕は顔もしらない。 そして、スナックというとおじさん

      • スナック 夕子 ①ママ

        元カノの後釜でアルバイトを始めた。 まだわからないことだらけだ。 僕はあまり酒が飲めないし、客としてスナックに入ったこともなかったから言われたことをやるだけであまり役に立っている気がしない。 でも、それでいいらしい。 気だるいような雰囲気は居酒屋なんかとはえらい違いで同じ酒を飲む場所なのにどうしてこんなにゆるいのか。 元カノから連絡が来たとき、ほんのり期待したのになぜか未だ乳すら揉めず僕はここにいる。 どうしてこんな代わり映えしないメニューで飽きもせず客が来るのか

      スナック 夕子 ③顔面性器