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【字慰】2次会では夢の話をしよう

28日が仕事納めだった。丁度その日は、同期の飲み会があった。幹事には感謝だ。かく言う僕も、前の会社ではよく幹事をしていた。と一括りに言っても、僕はどちらかと言うと、先頭に立って旗振りをしただけで、声かけして、あとの店選びなどの実務は他の人に任せていたのが常だった。

しかし、それにしてもありがたいものだった。というのは、楽しかったからだ。同期と言ったって、中途採用だから、歳もバラバラだし、職種だってそれぞれだ。だから、実務での関りなどほとんどないし、たぶん、これからもほとんどないだろう。

でも、繋がりはあった方がいいし、大切だと思った。シンプルに、友達なんだ。僕は、今でこそ年長者の方だけど、前の会社の時は、丁度中途の真ん中くらいだったこともあって、その会のテーマには、タメ口で話せる関係性を、なんて言って乾杯の挨拶をした。現に、効果はあった。だから有効なのだが、年長者であるし、幹事ってのは、それが先頭に立って旗振りするだけだとしても、意外と疲れることなのは、よく知っていた。ということもあって、会を主宰してくれた同期には、感謝しかなかった。当然のことだが、誰かがやらなければ、繋がらない。誰かが、めんどくさいことをしないことには、始まらないんだ。だから、同期のなかに、それをしてくれる偉大な仲間がいたことは素直に嬉しかった。

さてタイトル回収の前に、この同期ってのは10月採用の集まりで約20人なのだが、夏に、一同が集まったことがあった。

入庁にあたっての説明会(学歴や職歴の証明や、給与振り込み口座の資料)でのことなんだけど、お決まりだが、最後に自己紹介をした。

ここでね、僕はやっちゃったわけですよ。
自己紹介をして、最後に夢を語った。小説が好き、書いている、芥川賞を獲るということをね。話したわけですよ。前に出て話したから、分かったよ。皆、ぽかんだった。

その後、一週間か、いやもっとの期間、ああ、言わなくてもいいこと言ったなー。と、少しブルーだった。ブルー? それも違う気もしたが、ただ、何かをかますにしては、場はまだ温まりきっていなかった。

そもそも、なんでこんなことを態々言ったのだろうか、正直自分でも分からなかった。

恥ずかしい、わけじゃなかったが、確実に「今じゃない感」はあった。が、やっぱりその時でもあったのかもしれない。とも考えることで、自分を慰めていた。

というのは自己紹介っていうのは、何より一番大事なのは、インパクトだと考えているからである。

という背景があった上で、同期会に参加した。

場は温まった。もう、いいだろうというタイミングで、趣味やなんやらの話になった。で、僕は小説の話をした。

聞き手は、「強烈に覚えている」と言った。強烈って!? つい突っ込んでしまったww

なるほど、成功していたのかもしれない。だって、申し訳ないのだが、僕は誰一人の自己紹介も覚えていない。どなたも、当たり障りのないことを話していた。害はないが、有益だとか、面白い話はしていなかった。まして、夢の話など誰もしていなかった。

1次会は楽しく終わった。続いて2次会という運びになった。参加率はほぼ100%だった。こういうところもよかった。みんな、飲んべい、もしくは話足りない、お喋りなんだ。

また違う同期と話すことになったが、そこでも、夢の話をした。一応年の功として、色々語らせてもらった。夢の話をするのは、ともすると恥ずかしと思う人がいるらしい。

それは違うと一喝しておいたww
言霊がある。背水の陣、一人SM。口にして、奮い立たせる。ためにも、夢を見つけることができたなら、それを、酒の場で、目をキラキラさせて同期に話せばいい。誰も、君の夢を笑う人なんていない。そんなことを話した。

ようは、ここでも、僕のあの時の自己紹介のことは強烈なインパクトがあったらしい、少しおちゃらけた僕の前に座ったS君も、「いったい何を急に言い出すんのかと思いましたよ。でも、めっちゃ覚えています」と話した。

その隣にいたNさんも、同じように覚えていた。「あんなインパクトある自己紹介は初めてでしたよww」そう、wwはついていたが、それでもよかった。あの取り組みは、成功した。

僕は、32歳になってから小説を書き始めた。遅いって? 遅くない。何かを始めるのに遅すぎることはない。僕は、小説家になるという夢を見つけてから生き生きとした。

S君も、Nさんも、まだ30手前だった。それが羨ましかった。時間は有限だ。彼や、彼女の方が、今の僕より10年時間がある。

分かった。不老不死、金持ちの爺が若者に嫉妬する理由。ただ、若いだけで羨ましい。可能性が、無限だ。

酒が入って、気持ちよくなって、とにかく僕は夢を語った。


僕は、転職という選択した。ドアドアで30分になって、時間は生まれた。そして、すてき同期と巡り合えた。どうやら、僕は選択を間違えなかった。あとは、信じ、走り続けるだけだ。

今年は、4月のおわりにnoteを始めて、半年ほど夢中だった。ほとんど毎日投稿だった。楽しかった。とても楽しかった。色んなことを書いた。たまに読み返すこともある。書くことは楽しい。しかし10月に入ってから、3か月、全然noteができなかった。だけど、こうやって書きたい時に書ける媒体があることはありがたい。日記じゃないが、思うことを記すことは、いい。


最近、山田正紀の『神狩り』という1974年の小説を読んだ。衝撃だった。想像できないことを想像する。まだ知らないやばい小説は山ほどある。もっともっと読みたい。結局今年は、93冊の本と、52本の映画を観た。目標としていた100と60には達成はできなかった。でも、あまり後悔はない。今年も、いい本と、いい映画に触れた。来年も、楽しみだ。積本はうずたかく、映画も、観たい映画がストックされている。そもそも小説だ。アイデアはある。次は、青春ものだ。本腰を入れねば。

いつか、芥川賞作家になるための、ひとつの年越しだ。反省もあるが、達成できたこともある。来年も、いい年にしよう!

みなさま、良いお年を。それではまた!

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