vol.31 元・美術館勤務の私が気になること
元・美術館勤務の私が展示室内でやってしまう2つめの癖についてお話します。それは【作品の周りにホコリがあるか確認してしまうこと】です。
と書くと、「階段の手すりにホコリが溜まっているわよ!」と嫁いびりをする姑のようですが、ついつい気になってしまいます。
展示室内にホコリが溜まるのは本当に仕方のないことなんです。美術館は人の出入りが激しいですし、来館者の洋服や髪の毛が床に落ち、徐々に作品の周りにホコリが溜まります。
特に冬場はホコリが溜まるシーズン!この時期はコートやセーターを着ている来館者が多いので洋服の繊維が落ちやすいです。
今日は、ホコリたちと闘った美術館勤務時代の思い出を書こうと思います。
ちなみに、前回は【天井ばかり見がち】な私の癖について書きました。そちらもぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
作品のメンテナンスについて
私が勤務していた美術館では、大きく2パターンに分けて掃除をしていました。
毎朝の床清掃
週1回の作品メンテナンス(作品の修理と掃除
毎朝の床清掃は、来館者の動線のみを掃除します。作品にかかったホコリは、週一回のメンテナンスに細かく清掃します。
作品は展示ケースに入っているものと、ケースに入っていないものがあります。展示ケースに入っていれば、作品に直接触れないのでちょっぴり気は楽なのですが、ケースに入っていない作品は….掃除が大変です。
作品が壊れないように掃除をするので、すごく神経を使います。そして掃除道具も作品を傷付けないものを使用します。
例えばウエス(柔らかい布)やエアブロワー(手で押すと空気が出るもの)でホコリを取ります。ブロワーによってホコリが舞うのでマスクは必須です。マスクを忘れた時はくしゃみとの闘いでもありました。
ホコリ取りで一番大変だった作品
このように時間をかけて作品1つ1つのホコリを取るのですが、なかでも一番大変だった作品は、展示ケースに入っていない、白い建築模型でした。
模型が真っ白なのでしっかり取らないと小さなホコリが目立ってしまいます。加えて高さ約2cmの椅子や人の模型も置いてあったので、ブロワーの風で取れてしまわないか、慎重にホコリを取る必要がありました。
ブロワーの風向きや風の強さを調整しながら掃除をしたので、約60 x 60cmの模型の掃除に10〜15分程度かかったと思います。(作品によるのですが、それくらいの大きさの作品ですと、3〜4分程度で掃除していました。)
展覧会へ行った時は
ホコリとの闘い、という経験があったので展覧会に行った時は「ホコリ溜まるよね〜、わかる!」と共感しながら鑑賞しています。
取り扱いが難しい作品がたくさん置いてある展示室の掃除って本当に大変です。
ただでさえ、自分の小さな部屋ですら掃除が大変な私にとって、作品のメンテナンスをしたり、毎日室内を監視する美術館の皆さんは本当にすごいな〜!と改めて思いました。自分の部屋とは比べ物にならないですが。笑
#美術館の気になる子ちゃん
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