【短編小説】男役をめざす高3の夏
書いたのは3年くらい前(?)
参考:めざせ舞台女優!「かげきしょうじょ」の魅力|青野晶 (note.com)
青野晶「やがて銀橋に続く」
細く長い道を行く。星野薫は白線を超えて車道に出ないよう意地になっていた。バス停へと続く海沿いの道は、車道の幅を広く取りすぎたせいで歩道が狭くなっている。白むほどの炎天はまぶしく、鋭く痛い光が降り注いでいた。
「なにあれ?」
少女たちの嘲笑が聞こえて、星野薫は日傘の柄をギリと強くつかんだ。つんと鼻先を上げるのに、胸の奥に差し込む鋭い痛