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【企業にインストールすべき指標として税理士が猛プッシュするもの】人時生産性(にんじ生産性)という非常にクリティカルな指標

私は鹿島アントラーズが好きです。ゴール裏で熱狂的に応援しています。
2018年にアジア王者になりました。写真はその時の決勝戦、アウェイでイランに行った時のものです。テヘランにある10万人収容のアザディ・スタジアム。世界最悪のアウェイ。アウェイサポーターの墓場。などとも言われています。石投げられたり、非日常の空間でした笑

試合もそうですが、イランという国の文化や人々の考え方などに衝撃を受けました。中でもこの一言がずっと心に刺さっています。

「どうして日本人はカネ儲けをしたがるんだ?俺たちは今日の稼ぎが取れたら店じまいだよ。家族と一緒に過ごす時間のほうが大切じゃないか?夜遅くまで働いてカネを稼ぐ事は、お前の人生でそんなに重要な事なのか?」

STAY HOMEの状況下で、家族と過ごす時間の大切さに気付いた人も多いと思いますが……我々は何のために仕事をしているのか?
原点に立ち返って考えると、オカネは手段であって目的ではないです。イランから見た日本人は、手段と目的を取り違えているように見えるのでしょう。


という訳で、今日のテーマは人時生産性(にんじせいさんせい)です。
人時生産性とは、1時間当たり何円の粗利を確保できているのか?という指標です。

私は、全顧問先に人時生産性の算出を推奨しています。
売上で経営判断するのはダメと再三お伝えしていますし、利益で判断するのがベストなのですが…月末まで〆ないと利益は分かりません。
そこで、スピード感をもって日々・案件ごとに経営判断できる指標が人時生産性です。

案件ごととか、飲食店であれば1日のランチだけとか、1つ1つの商いがどうだったか?を判定できるので、とても経営感覚が良くなります。経営感覚が良くなれば、短時間労働で今まで以上の利益を出す事が可能になります。
短時間労働で今まで以上の給料、となれば、家族との時間や趣味の時間を確保する事ができる訳で、そういう意味でめっちゃクリティカルです。
全企業が、人時生産性向上に取り組まないとね〜。と思っています。


人時生産性の算式を記載します。

粗利÷投下時間=1時間当たりの人時生産性
※投下時間=準備時間も含んだ時間×作業人数
これで1時間当たりの人時生産性が出ます。最低目標は5,000円です。


例題を出しましょう。
ある飲食店の1日のランチ売上が70,000円でした。材料費は30%です。
スタッフは10時から14時の4時間×3人です。
この場合の人時生産性を計算してみてください。


いきなり答えが見えないように、食欲を刺激する写真をどうぞ笑

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(茨城県鹿嶋市、ブラジル料理ベリンバウさんのリブアイステーキ)

はい!では答え合わせをしましょう!
①.まず粗利を出します。
粗利額=70,000円 ×(1−0.3)=49,000円
※材料費が売上の3割(70,000円×0.3=21,000円)
②.次に投下時間を計算します。
4時間×3人=12時間
③.人時生産性を求めます
49,000円÷12時間=4,083円

はい、人時生産性は4,083円でした。目標の5,000円に少し届かない。
目標の5,000円に届くようにするには、粗利額を増やすか?投下時間を削るか?どちらかです。

粗利額を増やすには、以前に記載した4つの手法に戻って考えます。
①.客単価UP→→→デザートの追加提案やドリンクおかわりなど
②.客数UP→→→空席を埋めるor回転数を上げる
③.変動費down→→→材料を下げる
④.固定費down→→→ここでは関係なし
この4つのどれか、または組み合わせで粗利額を増やします。

投下時間を削るには、オープン・クローズ時間の短縮、レジ〆作業をIT化するなどが挙げられます。単純なシフト人数のヨミ違いもありえますよね。
混むと予想したらガラガラだった…とか。

はい!という訳で人時生産性でした。
実際に自分の事業の数字で計算してみてください。
売上が〜とか、利益が〜、というより早く数字が把握できるので、利益がどのように生み出されるのか?手触り感がよく分かるようになりますよ。

長くなってきたのでここまで!
ではまた!


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