(詩)散花

「さよなら」

風または
無風の空気中の

ありがとうが含まれた
さよならが好きさ

花が
風または
無風の空気中で
散っていく時

誰にも聴こえない
わずかな空気の
振動の力を借りて
ささやいたさよならが

聴こえた気がした
それは
昔好きだった人に
とうとう言えなかった
さよならみたいで


ありがとうが隠された
さよならが、好きだった

花は散っても大地にちゃんと
種が
残っているみたいでさ

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