見出し画像

続けることの難しさ

 私の感覚ではなかなか続かないことTOP3というとダイエット・日々の運動・日記だと思っているのですが、皆さんはいかがでしょうか。
 
 Noteの利用者だと「いやいや、私は三行日記を毎日書いてますから」という方もいらっしゃるでしょう。あるいは「毎週ジムに通ってますよ」という方もおられるかも。昨今、健康志向が強まっていますから、コロナ禍でもランニングを継続されている方が多かったですね。
 そういう方からすると、私のような「続かない派」の嘆きは単なる怠惰の言い訳にしか映らないかもしれません。実際、怠け癖があります。しかも自分に甘いので、お恥ずかしい限りですが、なかなか改善できないものでして。
 毎年、新しい手帳を買って「今年こそしっかり予定を書き込んで活用しよう」と決意するのに、一ヶ月、二ヶ月と経つうちに、いつの間にか空欄ばかり。
 ベッドに入る前の五分か十分、ゆったりした音楽でも聴きながら今日一日を振り返ってみるのも悪くないよね、なんて思って買った素敵な日記帳も埋まっているのは最初の方だけ。
 健康器具に至っては、いったい何度敗北したことか。
 
 テレビを見ながら腹筋運動ができるバネ付きの座椅子⇒テレビを見るのに邪魔ですから、結局やらなくなりました。
 回転する台の上に乗ってクルクル身体を捻るとウエストシェイプに最適!⇒単純な運動はすぐ飽きるのです。
 ジムに通わなくても自宅でできるエアロバイク・ウォーキングマシン⇒どちらも結構好きだったので、しばらくは使いました。でもジムに置いてある物よりコンパクトなせいか、やや使いづらくて。そのくせ家に置くにはやっぱりデカすぎて邪魔なので結局サヨナラしました。
 ストレッチボード⇒あ、部屋の隅に置いてあるあの台、そういえばふくらはぎを伸ばすための物だったわ。
 
 いや、おまえ、飽きっぽいにも程があるだろ、という天の声が聞こえてきそうです。最初のうちだけは、ちゃんとやる気あるんですよ。ええ、本当に。運動そのものだって嫌いじゃないです。学生時代は中高共に運動部(中学では水泳、高校は剣道部)に所属していましたから。
 やるときはやるんです。
 あ、そんな冷たい目で見ないで。
 
 まぁそんな怠け者のワタクシも以前はたまたま区の運動施設が徒歩圏内にあったので、月に何回かお邪魔していました。マシンの上を少し歩いてストレッチするだけでもスッキリするし、何より区の施設なので費用がお安い。ありがたい。
 ところがコロナ禍に突入して、一時期施設が使用できなくなり、運動不足だなぁとぼやいてるうちに引っ越すことになり、その施設に通うことができなくなりました。おまけにその後、契約満了により離職したため通勤すらもなくなり、完全な引きこもり状態に突入。
 かなりヤバいです。(いささか擦り切れていた精神的にはとても良い状態でしたが)金銭的にもヤバいけど、健康的にも超絶ヤバい。このままだと体重増加確定だし、生活習慣病まっしぐら。社会復帰も遠のいてしまう。
「何か始めなくちゃ」
 焦りました。でも、今までと同じ轍を踏んではならない。三日坊主と言わずとも、たかが一ヶ月で終わっていては意味がない。
 そんな私がどうしたものかと悩んだ末に手を出したのが、数年前に天下の任天堂が発売した、かの有名な『リングフィットアドベンチャー』というゲームでした。
 発売当初はまったく興味を抱かなかったのに。なぜに今さらリングフィット? 自分でも不思議でした。
 
 一番の理由は、やはり自宅でできること。これ大事。しかも家族もプレイできるので、進捗具合を競い合うことができます。
 元々Switchは持っていたので、挫折してもリングコンが無駄になるだけで処分が簡単(エアロバイクなどの大物を処分するのが大変でした)というのが二つ目の理由。
 そして三つ目は、挫折しても罪の意識が軽く済みそうだから。何しろ運動器具ではなくゲームですからね。
 張り切って「運動するぞ!」って目標を立てると、継続できないダメな自分に失望するんです。そもそも始めるときの目標設定が大雑把だったり高すぎるのがいけないのだと思うのですが、これまではその繰り返しでした。だからしばらくは続くけど、二、三ヶ月ほど経つと「もういいか」になっちゃう。
 
 今回始めてみて分かったのですが、私のようなストイックさの乏しい人間にとって、目先の小さな変化は結構大事なことでした。飽きないんです。
 ゲームなので進むたびにステージの背景が変わります。出てくる対戦相手も変わります。ちょっとした変化の連続。
 そして小さくこまめな目標設定が可能。今日はジムステージを全部クリアしようとか、明日は次のエリアまで行こうとか。私の場合、ヨガとかフィットネスの動画を見て運動するだけだと、そういう小さな目標を立てづらかったのですが、これならステージを進んでいくだけだからできる。
 しかも相棒に選んだリングが(男性の声と女性の声、どちらかを最初に選べます。女性の声だと男性ユーザー向けに絞られているみたいで、選ぶ言葉も「ナイスマッチョ」だったりするのがやや腑に落ちませんが)運動している間ずっと褒めて、励ましてくれるんです。少し腿上げをしただけで「素晴らしい!」とか、スクワットを数回こなしただけで「よく頑張ったね、凄いよ」とか。ずーっと。あんなに褒めてもらえること他にないです(笑)
 
 発売当初、始めてすぐに挫折してしまった方もいるようですが、おそらく負荷の設定が高かったのではないでしょうか。筋トレとしてはそちらの方が正しいのですが、私は自分がへなちょこだと充分自覚しているので、最初のうちはかなり低い設定で始めました。
 
 とにかく無理はしない。
 毎日わずか20分。それでも楽しんでやれる範囲じゃないと、私は絶対続かない。
 
 その考えは当たっていたようで、筋トレと呼べるようなレベルにはなかなか到達しませんでしたが、その代わりに毎日続けられたのです。飽きなかったから。楽しかったから。
 結果――――昨年の夏から始めて、現在の運動日数180日以上。レベルは400を超えましたし、何より最大の目標である半年以上の継続を達成することができました!
 おかげで少し姿勢がよくなって、身体のラインもほんの少し引き締まってきて、地下鉄の階段を上り下りする足取りが軽くなった気がします。
 しかも、まだ当分飽きる気配がありません。
 ステージをすべてクリアしてしまっても大丈夫。少しずつ負荷を上げていけば、まだまだいける。
 
 結局、好きだ、楽しいと思えることなら続けられるんですね。
 だって読書も文章を書くことも一時は諦めかけたのに、やっぱり離れ難くて、いまだにずっと続けてますから。
 単純な人間なのです。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?