eにポートレートを撮ってもらったのは２回で
基本的に撮る方ばかりだった自分には
本当に貴重な写真。純粋に嬉しかった。

1回目のはこの記事に

容姿やファッションの素敵な友人ばかりだったから
自分には全く自信がなくて
わかりやすく一緒にいた友人は褒められて
自分が貶められさえした事もある。
子供の頃から数えるなら、バカにされた事も何度もある。
わざわざ無料のSNSで小物は良いけど被写体が良くないから変えてほしいとコメントを送ってくれた人もいる。

だから誰かにポートレートを撮ってほしいとは頼めなかったし
eがいなければ一生撮らずに終わっただろう。
今の自撮りは見ておわかりの通り、撮影時点でとても加工顔になるし。
といってもこのポートレートも、もちろん加工している。

でもこのポートレートも、いずれにしても昔の話だ。
今はもうこの自分はいない。
髪を切った時に
たぶんこの頃の私は死んだのだ。

砂丘でポートレートを撮ってほしいと言ったのは
もう言うまでもなくhydeへの憧れからで
白い衣装のhydeはずっと自分の理想だった。
あんな顔にはなれなくても、そんな雰囲気のものを撮り残しておきたかった。

これでこういう事も最後だなぁと思いながらの撮影だった。
今みたいに自撮りするなんて考えてなかった。

海での撮影は潮や砂の影響があるから
下手をすればカメラがやられてしまうので
eにその旨を相談したけれど
カメラなんか撮るためにあるのだからと
快諾してくれた。

写真は一生ものだし
eには今もお世話になってばかりで
甘えてばかりで
全然なにも返せていないけれど
本当に一生感謝してる。
自分にのこせるものが
もう言葉しかなくて
ごめんね。

砂丘の潮や砂どころか
天気すら悪くって
小雨も降って
海風の強い
寒い秋の砂浜だった。

それでも却って晴れよりコントラストも強くならず
雰囲気もあるだろうと
eは来てくれて撮影をしてくれた。

砂はぶち当たって痛いし
目を開けてるのも大変で
薄い生地は強風で煽られて身体に纏い付くし
本当に散々だったと思う。

撮られ慣れてもいなくて
ファインダーの中の見えない自分には
まったくe頼みで
カメラを持ったeはどれだけ大変だったかと思う。
このピントの拾い方、神では…？ と
何度見ても思う。

撮影中に雲が割れて光が出てきたのが
砂丘のオアシスに反射して
とても綺麗だった。

後にもう一度ここへ行ったけれど
津波対策で雰囲気のない塀ができたりしていて
この日に撮影できたのは
本当に幸運だった。

たしかnoteのどこかに
もう書いていたかもしれないけれど

バンドは解散するし
メンバーは若くても亡くなるし
それはライブハウスで会う友達も同じだった。

おなじ年頃の他のものを追っていた子達よりも
このジャンルは終わりと隣り合わせだった。

そういうものを
肌で感じていて
今が終わらないと思っていた子は
周りには誰もいなかったと思う。

今写真を撮っておかなければ
いつまでもこんな格好はできないからと皆言っていた。
今を生きるのに精一杯だったし
刹那的だった。

人生は夢物語ではないと
夢のような世界を求めるがゆえに
みんながわかっていて生き急いでいた。

最後と思って撮ったこの写真は
やっぱり自分の最後のポートレートだ。

今いくら自撮りで創作みたいな事をしてもそう思うし
またやりたいとは、もう思わない。

人生の一枚を決めるなら、やっぱりこの写真だな。

eじゃなきゃ撮れなかったよ。
本当にありがとう。
いつもずっと傍にいてくれて。

せっかく綺麗に撮ってくれたのに
けっきょく自分のコンプレックスを乗り越えられなくて
加工しちゃってごめんね。