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そもそも何故NZなの? 切っ掛け編

私は確実にこの国を自分の自由意思で選んで、この4月で移民として16年暮らしている事になる。そして、最近その事で悩んでいる。何故って明確な理由があっての移住だったから、それに反する出来事が多くなると何故ここにいるのかが分からなくなってしまうからだ。それはさておき、そもそも何故この国を選んだのか。先ずは切っ掛けから。

私は日本の文化や四季折々の風情が大好きだ。そして小学校の時に生まれて初めて接したアメリカ人大学生達の日本人へのリスペクトのなさを子供ながらに感じ、更にキング牧師の伝記を読み、中学校1年生の1学期で英語に躓き、私の小さな世界観から英語をしゃべる白い人達の国々は排除されてしまった。今から思えば何とも残念な話ではあるが、それは私たちがこの国を選んだ大きな理由にもなっている。

3人目を日本で出産し、その2か月後に大病した。一命はとりとめたものの目は良く見えないわ、動けないわ、咀嚼能力や味覚障害など色々抱えての退院だった。その時、人間はいつ死ぬか分からないので、毎日もっと自分に正直に生きないとかなり後悔する羽目になると悟り、更にその時小学校5年生だった長男のクラスで問題があり、長男は学校に行きたがらなくなっていた。話を聞けば、ある先生がクラスをお気に入りとそうでない子供たちに分けて、そうでない子供たちに「お前は生きる価値がない、何故なら....」と言い放っていると言う。彼はお気に入りの方だったがその中にいるのが非常に辛かった。それを他の先生方に子供たちが相談しても、保健室の先生しか話を聞いてくれないと言う。

この話をしだすと偉く長くなってしまって本題に入れなくなってしまうので多くは触れないけれど、子供たちを学校に人質として取られたままだったので短期決戦!病み上がりでかなり心身ともに辛い状態だったが、一命をとりとめたばかりで、命の重みを痛いほど感じていた私は絶対に子供たちを守ろうと必死だった。なかなか難しい戦いだったが、全ての子供たちが再び安心して学校に通えるようになった。

でも、私にとっての大きな問題は実はその先生ではない。何故ならどこにでもかなり変わった人はいる。でも多くの人がそれを変だと認識しているので対処しやすい。それよりも問題なのは、15年以上に渡り、大勢の子供たちが被害を被っていたのに見ぬふりをしていた保健室の先生を除く全ての先生方だ。私にはそれが大気汚染の様に見えた。その空気を子供たちに毎日長時間吸わせるのがたまらなく嫌だった。

子供たちを守ると言う使命から沢山のエネルギーをもらって、後遺症だらけの私の身体は驚くほどの回復を見せた。そして、学校も見かけは平常を取り戻した。でも、それからが私の本当の苦しみ。さぁ、どこに行けば子供たちにより良い空気を吸わせられるのか。彼らが彼らである事を全うするために親としてどのような手助けが出来るのか。

この飛んでも(ない)先生が私たちの今を作ってくれている。あなたのせいでこんなに沢山円形脱毛症になったと泣きついてきた校長先生も天使だ。

続きは2週間後の4月25日に。

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