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あおいはる

九把刀(2018)「あの頃、君を追いかけた」阿井幸作、泉京鹿訳、講談社
を読みました。

乃木坂46の齋藤飛鳥さんと、山田裕貴さんが日本版の映画に出演されると聞いて知った本です。
映画も観に行こうと思っていたのですが、結局行けずじまいでした(少し活発になったかと思っていたのですが、ひとの性格はあまり変わらないみたいです。明日、来週、と思っている間に公開期間が終わっていました。DVDが発売されたのでそちらで観ようと思います)。

講談社文庫で出ていたこの本、たまたま書店をふらふらしていた時に、早瀬真愛ちゃんが目に飛び込んできて、気が付いた時には本を手に書店を出ていました。

飛鳥さんがコメントで、よくある青春ストーリーではない、本当にこういうことあるだろうなと思える話だったいうようなことをおっしゃっていたので、ふだん青春モノを読むことがないわたしもきっと楽しめるだろうと思っていました。

ページを開くと、頭の中で飛鳥さんと山田さんが軽妙なやりとりをし始め、あっという間に読み終わったのですが。

あっ、終わった、という、走りこんだ先に地面がなかったような、そんな気持ちになりました。
こういう終わりになるだろうと無意識に思い込んでいた結末では全くありませんでした。なんて切ない。

わたしにあんなに誰かを追いかけた時期があっただろうか、と思いを巡らせても、誰の顔も思い浮かばず、自分がとても空虚な人間のように感じました。
恋愛にかぎらず、クラスで団結して行事の準備に打ち込む、とか、一生懸命勉強する、とか、そういったことを何もしてこなかったな~とこれまた乾いたきもちで振り返ってしまいました。
だからこそこの小説の世界に入り込んでいったのかもしれません。

小説の世界に溶け込むように読んでおきながら、沈佳宜の読み方が最後まで覚えられませんでした…。

折り返しのコメントにもあるように、私もまたいつか読み返したいな、と思う小説でした。

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