あおい

本と音楽、ラジオ、アイドル、文房具がすきです。

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最近の記事

八槻綾介(2023)『ややの一本 剣道まっしぐら!』ポプラ社

こんなにさわやかでおもしろく、あつく泣ける物語があったのか。 青春って、じぶんとは無縁できらいだとおもっていたけれど、こんなにすばらしいものだったっけ。 実際に手に取ると厚みがある本だが、その表紙からあふれる爽快感を全く裏切ることなく、頁をめくる手がぐんぐんとまらず、一気に読んでしまった。 主人公のややは、中学1年生になったばかり。 元気いっぱいでいたずら好き。よく先生にも怒られているけれど、そのいたずらの裏には、仲間おもいで正義感の強いややのまっすぐなおもいがある。 そ

    • 北野勇作(2023)『ちょっとこわいメモ』福音館書店

      ちょっとこわい、ちょっとふしぎな4つの物語が収録されている。 主人公は、勇気がある人、と書いてゆうと、と読む名前をもった男の子。 実際のゆうとは、勇気があるというより、ちょっとこわがりだった。 ある日、ゆうとは、ちょっとこわい出来事があったら、そのことをメモに残すように決める。そうすれば、あとから見返して、なんだこんなことか、とおもうことができるとおもったからだ。 これは、ゆうとが書き残したメモを振り返り、そのちょっとこわいふしぎな話をたのしむ本だ。 買い物の帰りにこっち

      • 戸森しるこ(2023)『ぼくらは星を見つけた』講談社

        天文学者の夫を亡くした、そらさん。そらさんは、丘の上のお屋敷に住んでいた。 その屋敷には、男の子の星くんと、ハウスキーパーのシド、庭師のターシャ、ねこのダリアが暮らしていた。 そこに、星くんの家庭教師として、岬くんがやってくる。 岬くんは、楽団員や美容師を経て、そらさんの屋敷にやってきた。 はじめ、ふつうの家族だとおもっていた、そらさん一家が、実はさまざまな背景をもったひとたちの集まりだと知る岬くん。 そして、みんなその事情と事実に気がついていないふりをしながら、本当はみ

        • 水沢文具店

          安澄加奈(2017)『水沢文具店 あなただけの物語つづります』ポプラ社 安澄加奈(2018)『幸せを呼ぶ物語、つづります 水沢文具店』ポプラ社 商店街の中にある、古そうな見た目の文房具店。 その水沢文具店の店頭に、このような貼り紙がしてある。そのとおり、店ですきなペンとノートを買うと、そこにオリジナルのお話を書いてくれる店主がいる。 この文具店を訪れるさまざまなひとたち。みんなそれぞれ悩みを抱えて生きている。そして、店主の龍臣にオリジナルストーリーを書いてもらうことで、前を

        八槻綾介(2023)『ややの一本 剣道まっしぐら!』ポプラ社

          吉田桃子(2021)『夜明けをつれてくる犬』講談社

          装幀がすてきで、おもわず手に取ってしまった。 美咲と愛犬のレオン。 美咲がレオンを大切におもうきもち、美咲に寄り添うレオンのやさしさがしずかに伝わってくる。 愛犬のレオンを亡くしてから、ずっと暗闇に取り残されたようなきもちでいる美咲。 家族もみんなレオンがすきだったはずなのに、ふつうに生活している様子が余計にさみしかった。 美咲は、おもうことはあっても、のどにビー玉がつまったようになり、うまくはなすことができなかった。 友だちもおらず、レオンがいなくなってからは、ほんとう

          吉田桃子(2021)『夜明けをつれてくる犬』講談社

          大石善隆(2019)『コケはなぜに美しい』(NHK出版新書588)NHK出版

          コケへの愛がひしひしと伝わってくる本。 カラーの写真もたくさん使われているので、コケの世界に入り込むことができる。 ふだんなにげなく通りすぎている場所でも、ふと足をとめて、そこでしなやかに生きているコケを見つめたい。

          大石善隆(2019)『コケはなぜに美しい』(NHK出版新書588)NHK出版

          上坂博亨ほか(2021)『コミュニケーション力を高めるプレゼン・発表術』(岩波ジュニア新書932)岩波書店

          発表が苦手。 そういうひとは少なくないだろう。 では、なぜ苦手なのか。人前に立つことが嫌。そもそも声を出したくない。やれと言われるからやるだけで、伝えたいことなどない。 そして、いや、だからこそ、成功体験がない。 本書では、そのようなひとたちにむけて、プレゼン・発表をする意義とはなにか? というところからやさしく説いてくれる。 これを読めば、じぶんにもプレゼンや発表ができるようになる気がしてくる。 目的意識と、その目的を達成するための論理、それを考える時間をしっかりもつこ

          上坂博亨ほか(2021)『コミュニケーション力を高めるプレゼン・発表術』(岩波ジュニア新書932)岩波書店

          エクスナレッジ編(2022)『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ

          本屋さんの写真集かとおもって手に取った。 読んでみると、本気で書店をもちたいとおもっているひとが読む本で、ちょっと戸惑いながらも最後まで読んでしまった。 本屋さんの間取りには、しっかり意味があり、考えられているということがわかる。本屋さんを開く予定はないが、客としても興味深かった。 よく行く書店がどのような間取りになっているか、今度よく見てみよう、とおもう。 書店や本にまつわる用語解説もついている。 必携の1冊。

          エクスナレッジ編(2022)『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ

          山下雅洋(2023)『鈴の送り神修行ダイアリー』岩崎書店

          表紙を描いている酒井以さんがすきで出会った本。 クラスメイトとうまくいかず、不登校になっていた鈴。 母の体調が悪くなったこともあり、はやめの夏休みということで、母の実家である神社へ帰ることに。 宿題でふるさとの歴史を調べていると、その神社には人柱伝説や死神伝説があるとわかる。 その伝説を調べようとするが、祖父はそのことを隠したい様子だった。 そこで、鈴はこっそり蔵に忍び込み、じぶんで調査を続けようとする。 そこで、死神修行について書かれた書物を見つける。 そのあと、沼に

          山下雅洋(2023)『鈴の送り神修行ダイアリー』岩崎書店

          髙森美由紀(2023)『お直しで大解決! ダーニングヒーローズ』

          穴があいたら、新しいものを買ってもらえばいい。 そう思っていた小学生の乙葉。 クラスメイトが、ペンケースの穴を布でふさいで使い続けているところを見て、貧乏でかわいそうだとおもっていた。 しかし、その子の家はダーニングをするお店だったのだ。 そこで、布製品を繕うことをダーニングということを知る。気に入っているものを、なおしながらずっと使い続けることのよさに気がつき始める乙葉。じぶんでもダーニングができるようになりたくて、縫物の練習をはじめた。 その店に通ううち、ふしぎなお

          髙森美由紀(2023)『お直しで大解決! ダーニングヒーローズ』

          正高もとこ(2023)『ぐるぐるまぜまぜえのぐのしろぽん』ひさかたチャイルド

          えのぐたちが、白い紙に絵を描いている。 だが、白い絵の具のしろぽんは、白い紙に絵を描いてもよく見えない。黒い絵の具のくろぽんは、ほかのひとの色を消してしまって煙たがられる。 みんなと同じように絵が描きたいしろぽんとくろぽん。 ふたりの色を混ぜることを思いつく。 すると、灰色ができ、おおきなゾウの絵を描くことができた。 目はくろぽんが描き、そこにしろぽんが白い絵の具を足すことで、きらめきを表現した。 すると、ほかの絵の具たちもやってきて、みんなの色をまぜてみることに。 す

          正高もとこ(2023)『ぐるぐるまぜまぜえのぐのしろぽん』ひさかたチャイルド

          北村直子(2023)『へんしん!』こぐま社

          ヒキガエルやクワガタなど、変態を描いた幼児絵本。 絵がいきいきとしていてかわいい。

          北村直子(2023)『へんしん!』こぐま社

          出口かずみ(2023)『にんじゃシジュウカラのすけ』世界文化社

          身近な小鳥、シジュウカラ。 その習性や鳴き声のひみつがわかる絵本。 見返しに、鳴き声の意味が書かれていておもしろい。 まちで声がきこえたら、それが一体何を意味しているか、じっくり聞いてみたくなる。 物語もあり、鳥がたくさん出てきてかわいい。

          出口かずみ(2023)『にんじゃシジュウカラのすけ』世界文化社

          レフ・トルストイ(2018)『トルストイ ショートセレクション 三びきのクマ』(世界ショートセレクション 6)(小宮山俊平訳)理論社

          トルストイの短編集。 『アンナ・カレーニナ』しか読んだことがなかったが、どのはなしもおもしろかった。実はすきな作家だったのかもしれない。 どの物語も、教訓めいたもの、キリスト教の精神がはっきりと読み取れるところがすきだった。 特に、「人は何によって生きるか」の神と愛のはなしがすきだった。 ほかの物語も読みたくなったし、トルストイそのひとにも興味がわいた。

          レフ・トルストイ(2018)『トルストイ ショートセレクション 三びきのクマ』(世界ショートセレクション 6)(小宮山俊平訳)理論社

          阿川佐和子他(2014)『ぐつぐつ、お鍋』(おいしい文藝)河出書房新社

          1年中お鍋が食べたい。 1人用の小さい土鍋に、冷蔵庫のなかにあった野菜を切っていれて、適当にタンパク質もいれて、ぐつぐつやるだけ。 ポン酢がすきなので、それをかける。 それだけで栄養もとれて、身もこころもあたたまる。 最近は、おいしいスープが売っているので、あれこれ試すのもたのしい。 幼少期は、ごちそうといえばすき焼きだったけれど、今はあまり味が濃くないもののほうがうれしい。 水炊きや常夜鍋、それから、ぜいたくをしようとおもうと、豚肉とレタスをたくさん用意して、しゃぶしゃ

          阿川佐和子他(2014)『ぐつぐつ、お鍋』(おいしい文藝)河出書房新社

          晴れた日は図書館へいこう

          緑川聖司(2013)『晴れた日は図書館へいこう』ポプラ社 緑川聖司(2013)『晴れた日は図書館へいこう ここから始まる物語』ポプラ社 緑川聖司(2020)『晴れた日は図書館へいこう 夢のかたち』ポプラ社 図書館と本がすきなしおり。 頻繁に図書館に通っており、いとこのお姉さんが働いていることもあり、ほかの職員とも仲がよい。 その町の図書館で起こる、日常の謎を解き明かす。 図書館で本を借りて読みたくなる。

          晴れた日は図書館へいこう