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天皇家のお家の事情

『『神々の乱心』を読み解く 松本清張の「遺言」』原武史 (文春新書 )

清張さんを道案内に宮中の奥深くに入る
最新の天皇研究をリードする著者が、松本清張が自らの総決算を意図した遺作を手がかりに、日本人にとって、天皇制とは何かを探る
担当編集者より
『昭和天皇』で第12回司馬遼太郎賞を受賞した原武史さんの天皇研究の出発点は、新聞記者時代の昭和天皇報道でした。その後、『大正天皇』を出版したあと出会った松本清張さんの遺作長篇小説『神々の乱心』(文春文庫)に衝撃を受けます。『昭和史発掘』の昔から最晩年にいたるまで、清張さんはこんなに大胆で、最先端をゆく天皇論を小説やノンフィクションとして書いていたのか、と。『神々の乱心』を10回以上精読し、そこにこめられた「松本清張と天皇制」の秘密に迫ったのが本書です。(HH)

松本清張最後の小説『神々の乱心』の解説書のような本。松本清張は『昭和史発掘』で天皇家にある確執、昭和天皇と貞明皇后(大正天皇の皇后)はイギリス王室など視察して近代化を目指す昭和天皇と日本古来からある信仰(それが新興宗教と繋がってしまい神がかり的になる)貞明皇后側近勢力との対立。

それは2.26事件から秩父宮を担ぎ出そうとした北一輝の妻もお筆先のお告げというようなことを言って、そういう力が台頭してくる危機感について解説している。宮中にも近代化を目指す昭和天皇と昔からの神道に基づいた儀式中心の勢力圏争い。天皇家も天皇以外は家臣みたいなものだから(『源氏物語』はそういう話だった)、対立要素が出てくる。

将来的に次の天皇は秋篠宮に移ることになるのだが天皇家は昔からこういう兄弟争いがあるのだという。一般家庭ならよくある話だと思うが天皇家は国家の存続がかかっているから注意しなければならない。



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