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フェミニズムと文化のあいだのエロ本とは?

『グッドバイ、バッドマガジンズ』(2022年/日本)【監督】横山翔一 【キャスト】杏花,ヤマダユウスケ,架乃ゆら,西洋亮,山岸拓生,菊池豪,岩井七世,西尾友樹,タカハシシンノスケ,長野こうへい,善積元,山口大地,木村知貴,大迫茂生,ジューン・ラブジョイ,あらい汎,中島愛子,草野康太,尾倉ケント,松井董平,秋乃ゆに,桑山こたろう,真矢みつき,きみと歩実,上田操,春日井静奈,カトウシンスケ,グレート義太夫

解説/あらすじ
志望していた女性誌とは正反対の男性向け成人雑誌の編集に配属されてしまった女性。ひと癖もふた癖もある編集者やライター、営業担当者たちに囲まれながら一人前の編集者として成長していくが、物語は思わぬ方向へと転がっていく。性的メディアに従事する多くの関係者に取材を行い、電子出版の台頭による出版不況、東京オリンピック開催決定に伴うコンビニエンスストアからの成人雑誌撤去、新型コロナウイルス感染拡大の影響など、激動の時代を生きる人々の苦悩と葛藤を描き出す。

coco映画レビュアー

エロ本雑誌がコンビニから消えてゆく社会性を扱った映画かと思ったら、出版不況の中での一出版社の業務的映画で会社映画の側面が強いかな。会社あるあるみたいな。それはネット社会の影響によるもので、エロ本だけではなく出版業界全体に言えることだった。エロ本が文化としてあるとしたら、どういうことだったのかイマイチ見えてこなかった。

女性のためのエロ本というテーマを女性編集長の元で作るというのは面白いと思ったのだが、それは今の日本では受けなかった(オリンピック当時)。そこの理由がイマイチわからないのが残念に思った。

編集長が少し前だったら女性のためのエロ本も受けていたのにと言ったセリフ、それは#MeTooの時代だったのか?たぶん、その時代からの反動でより男尊女卑になっているのだと思う。そこが微妙にわかりにくかったというか、女性編集委員の頑張りはあったのだが、結局女と男のセックス感の違いにたどり着いたのか?

モテ男の編集長の元モデルの妻は、結局セックスよりも子供を欲しかったのだろうか?男には許されるフリーセックスが、女には許されないものがモラルなのか?それとも産む身体ということなのか?もう一つ分かりづらかった。

フェミニズム的問題がありそうな感じもしたのが、そこが見えなかったのは、監督が男だったからだろうか?エロ本が文化だった時代というのはバブル時代の『写真時代』とかなんだろうな。そのノスタルジーだとしたら、女性視点はいらないわけで、男だけの文化を追求していけばいいと思うのだ。例えばアラーキーがモデルから訴えられたこととかが文化とフェミニズムという観点から伺えるような映画でもなかったのだ。まあ、日活ロマンポルノの延長としてのエンタメ映画として見るべきなのだろう。

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