桃尻語がエモくなってより現代っぽく
『いとエモし。―超訳 日本の美しい文学』koto
目次にあるのはイメージカラーとしてのコレクションでその色の和歌なり文章なりが示される。厳密な分類ではないとは思うけど、イメージとかそういう感性の本なのだ。それは文章の背景に描かれるイラストであっても、ネット的共同体的な集積なのである。そんなエモさを集めた語彙集といえばいいのか?
それはネット世代のコトワザと言っていいかもしれない。古臭い諺ではなく、ネットスラングも時には使いながら今を伝える言葉というのだろうか?枕草子から「をかし」をエモしと感じた時点で感性の言葉となっていく。なによりも彼女の文章は上手い。上手いというか今風なのだ。
これは背景のイラストやレイアウトも含めて一つの表現形態なのだと思う。そこにイラストやレイアウトに負けない彼女のストレートな彼女の言葉があり、古典の題材は一つのアイテムとして彼女の言葉を映し出す古典なのだろう。
例えば、彼女のコトバで参考にしたいのは小野小町の和歌の現代性。
2首目の歌はかなり違っていて、若い時から花の枯れるのを見ているのと、今までの解釈だと老いから花の枯れるのを見ている達観した表現とされるのだが、まったく逆で今が全てという感じに読める。
一番新鮮なのはやはり『枕草子』の春夏秋冬のエモい文章だろうか?清少納言が現代っ子に蘇る。
また俳句も取り上げられていて、その意味深な世界も好きかもしれない。
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