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釜石ローカル線映画

『釜石ラーメン物語』(2022年/日本)脚本・監督:今関あきよし 出演:井桁弘恵、池田朱那、利重剛、渡辺哲、大島葉子、岡村洋一、木月あかり、厚木拓郎、関口アナン、佐々木琉、山崎将也、森湖己波、長田涼子、椿かおり、島本和人、佐伯日菜子、村上弘明、藤田弓子

麵は細いが絆は太い。湯気の向こうに笑顔咲く。
人情・根性 釜石ラーメン奮闘記!

山と海に挟まれた小さな街・釜石。昭和の最盛期には今の3倍の人口の10万人以上が賑やかに生活し、明治・昭和・平成と幾度も災害を経験しながら、お互いを支え合って生きてきた。今も昭和の面影が色濃く残る街並みを舞台に、街の人々の人情を織り交ぜた家族の再生の物語が完成した。 主人公の姉・正実に井桁弘恵。2020年「仮面ライダーゼロワン」の出演を皮切りに、ドラマ主演やTVバラエティでのMCを務める等、目覚ましい活躍に期待が高まる。父と姉に挟まれジレンマを抱える妹、仲良を主演作品も多数控える今注目の新進俳優、池田朱那。父役にはベテラン俳優・利重剛。藤田弓子、村上弘明、佐伯日菜子、大島葉子など個性豊な俳優たちが取り囲む。地元の劇団の指導の下、全編釜石弁で臨んだ。釜石出身の新人俳優・佐々木琉も本作で映画デビューを果たした。

釜石でラーメン屋「小川食堂」を営む父と妹の所に、3年前に家を飛び出して音信不通だった長女・正実(井桁弘恵)が突然帰ってきた。戻って早々厨房に立つ妹・仲良(池田朱那)に「おめえなんかにお母ちゃんの味は出せねえ!」と言う始末。東日本大震災で行方不明になった母・正恵(佐伯日菜子)の代わりに、父・剛志(利重剛)が店を継いでいた。仲良は病気がちな剛志を助けて厨房に立っていたのだ。姉妹の衝突が続いたある日、剛志がついに倒れ、入院することになる。そこで正実は「小川食堂」が町の人たちにとってとても大切な場所になっていたことに気づくのだった。 そんな折、人気ユーチューバー・マリリン(木月あかり)が現れ、東北ご当地ラーメンのベストテン企画で「小川食堂」のラーメンを取り上げたいと言う。正実は「よし!おまえらに最高の一杯を食わせてやる!」と挑戦を受けた。こうして、姉妹は父の手を借りずに、二人で母の味に迫るべく、最高の一杯を目指した奮闘が始まる!

この映画のチラシを観て「釜石ラーメン」が食べたくなって、実際に行ったのだがラーメンの味はそれほどでもなかったような。映画を観ればわかるが「ラーメン」映画というより東北復興の人情劇なのだ。だから懐かしさというか釜石線のローカル線の旅は良かったと追想した。

あと懐かしいのは、佐伯日菜子である。大江健三郎原作の伊丹十三作品『静かな生活』のヒロインを演じていた。そんな彼女が亡くなった母親役をやるなんて、それだけで涙が出てきてしまう。

ストーリーはNHK朝ドラの『あまちゃん』のラーメン版というか大衆食堂の味であった。

そう言えば伊丹十三のラーメンの映画もあったなと思い出した。それを観たくなった。

伊丹十三監督『タンポポ』をリメイクさせたのが『釜石ラーメン物語』だった。


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