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憂鬱之島同士上映

『Blue Island 憂鬱之島』(2022/香港/日本)監督チャン・ジーウン

解説/あらすじ
すべては、彼らが世界と向き合おうとした時期に起きた出来事だった。ある者は文化大革命が起こるくらいならと、香港に向かって横たわる海峡を泳ぎ渡ることを選んだ。また、ある者は学生の自由の要求を支持し天安門広場へと向かったが、戦車と銃弾によって夢と肉体が削ぎ落とされる光景を目撃することになった。そして、あるものは理想の香港を作るため暴動の渦中に向かってい った…。この若き日の熱狂は、時代の移り変わりとともに深い闇の中に埋もれてしまった。しかし、彼らがいかに抵抗したかという記憶は、香港の歴史に残るかけがえのない瞬間の記録と証言であり、市民運動に参加する若者たちへ今でも多くの示唆を与えている。それぞれの世代の葛藤から、未曽有の危機に直面している香港の人々は、何を受け止め、どのような答えを導き出すのか。そして、私たち自身は…。

ゴダールがマオ、マオ、言っているときに中国本土から香港へ海を渡ってくる者がいた。香港の民主化運動は、中国の自由の規制から自由を求めて香港に渡ってきた者たちの歴史があった。

「文化大革命」「六七暴動」「天安門事件」の海を渡ってきた者たちと『乱世備忘 僕らの雨傘運動』の者たちの関連性。何よりもかつての歴史を生きてきた人たちは何を思っているのかにもスポットを当てるとともにますます弾圧が激しくなっていく。

香港において我々が出来ることはその事実を忘れないこと、そして運動が停滞してくると憂鬱になっていくものなのだが、その火は決して消えたわけではなく、こうした映画と共に受け継がれていく歴史があるのだろう。

このドキュメンタリーに過去の再現ドラマを取り入れたのは、それが突発的に起きた現象でもなく過去の弾圧から綿々と続く反抗の歴史なのである。そのことを意識的に見せている。映画が終わった後のチャン・ジーウン監督のリモートメッセージはいろいろ考えさせられた。


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