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モンクと彷徨い歩いたパウエルの日々

Bud Powell"A Portrait of Thelonious"(1961 年 12 月 17 日)

Bud Powell – piano
Pierre Michelot – bass
Kenny Clarke – drums

バド・パウエルの誕生日が昨日9月27日だったということでパウエルの一番好きなアルバム。ジャズ・ピアニストだったらモンクかパウエルかというほど甲乙つけがたい好きなピアニストなのだが、その両方の要素が聞けてしまうアルバム。

全てモンクの曲ではないのだが、モンクのメソッドが詰まっているような曲ばかりで、それを弾くパウエルがほとんど自分のものとしているのが素晴らしい。

このアルバムの後には最晩年の枯れた味わいのパリのライブ盤があるだけなので、この時期にこれほど弾けたのかという意外性もあるが、それはやっぱパウエルがモンクの曲をご機嫌に弾いていたからだろう。

ベースはフランス人だが、ドラムはケニー・クラークでバップ時代に活躍してパウエルの手心は得たようにサポートしている。ケニー・クラークのパリ時代は、けっこう有名ミュージシャンの好サポートがあるので、これもそうした一枚。

「セロニアス」の躍動感、ガラッとかわって「モンクス・ムード」の重厚なバラッド。そこにモンクのイメージがダブっていく。

パウエルが麻薬をやって警察に捕まりそうになったときモンクが助けたというエピソード。その時に警官に頭を殴られてパウエルは後遺症が残ってしまった。モンクも演奏パスポートを取られて一番いい時期に演奏が出来なかったとか。そういういろんなものを含めてこの演奏なのだ。パウエルのピアノ人生に師であるモンクは外せない。

バド・パウエル『A Portrait of Thelonious 』 https://music.amazon.co.jp/albums/B076NTFB3X?ref=dm_sh_3cb4-3566-1367-e203-3a445 #AmazonMusic

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