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石牟礼道子を読む

今月は石牟礼道子をテーマに読書していきたいと思います。過去に読んだものも、これから読みたいものも、今読んでいるものも上げています。

なにより重要だとされる石牟礼道子と言えば『苦海浄土』。
池澤夏樹の世界文学全集にもピックアップされてますね

日本文学全集ではなく世界文学全集の方にです。池澤夏樹の個人的趣味だろうと思うのですが、それでも日本では大江健三郎や川端康成をノーベル賞(文学賞)作家を差し置いてです。そのどこかに彼女こそノーベル賞作家だったと思う自負があるのかもしれないです。私も『春の城』を読んだときにそうように感じました。もうこれは世界文学だと。

『新装版 苦海浄土 』石牟礼道子

彼女の代表作とも言える『苦海浄土』も全集で読まなくても文庫でよめます。まあ、余裕がある人は全集で読めば、他の作品や詳しい経歴も書かれてあるので読めばいいと思います。

『完本 春の城』石牟礼道子

『苦海浄土』のときは優れたルポルタージュを書く人だぐらいに思っていたのですが、彼女の文学者としての凄さがこの本によって知らされました。水俣病が天草・島原の乱と繋がっているなんて。

『西南役伝説』石牟礼道子(講談社文芸文庫)

『完本 春の城』のあとがきで町田康が伊藤比呂美の言葉として「どんなことがあっても読んだほうがよい。読まなければ殴る」と書いていて、「殴る」は町田康の創作なんですが、そのぐらいの本なのかと思って借りたら、ノンフィクション作家の佐野眞一は『苦海浄土』よりもこっちを評価していますね。水俣病の原因は近代にあったということを地元の人の聞き書きで書いたルポルタージュなんですが、西南戦争時に生まれた爺さんとかの話を聞いている。そして『春の城』に繋がるルポルタージュ「天草島私記」も目次にあり、期待が持てますね。

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集24の方にも石牟礼道子は納められていたのですね。これは読んでみたいかも。

『石牟礼道子<句・画>集 色のない虹』

今読んでいる晩年の俳句と画を集めたものです。俳句とその自注自解です。水俣との繋がりがわかる入門書にはいいのかもしれない。

『天湖』

参考本

『苦海・浄土・日本 石牟礼道子 もだえ神の精神』田中優子

『カムイ伝講義』などの社会学の本を出している社会学者ですけど、この本がきっかけで石牟礼道子にハマりました。「もだえ神」はまさにそうなんですね。


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