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失敗の本質

人間、失敗することは大いにあるだろう。
私自身、日々のアウトプットをしようと心がけて何度も失敗している。
人間、一人ひとりにも失敗があるように、人が集まった組織においても失敗とはつきものである。

本:失敗の本質

失敗の本質という本が販売されている。
Managerになる人達にとっての必読書といわれるほどのベストセラーの本だ。
経営学者で組織の学習のSECIモデルを提唱した野中郁二郎先生も書いている。
この本は、第二次世界大戦の日本軍の敗退要因を分析している本である。
失敗を理解することで、組織としての問題点を洗い出し、同様の失敗を繰り返さないための教訓を示している。

日本軍の失敗

日本軍は、強かった。その象徴たるものは、日露戦争だろう。
東郷平八郎を筆頭に、日露戦争で大勝利を果たした。
だが、日本軍は第二次世界大戦に敗退した。
この要因は何か。
一言で言うなら、組織の「過学習:overfitting」である。

過学習とは

過学習とは、機械学習の分野でよく用いられる概念であり、モデルが訓練データに過度に最適化され、新しいデータに対する予測性能(汎化性能)が低下してしまう現象である。
日本軍にも、この現象が起きたことが敗退要因である。

日本軍の過学習

日本軍は、日露戦争での勝利を誇らしく思っていた。
そのため、日露戦争での勝利要因を分析し、同様の組織形態、戦略などを策定していた。
そのため、ロシアとは全く違った攻撃方法をしてくるアメリカ戦には勝てなかったのである。

過学習の過ち

過学習すると何が起きるか。
それは、間違った予測である。
過去で勝利したように、将来も勝利できるだろうと考えてしまうのが問題である。

実際は、過去とは状況がかなり違っているにもかかわらず、見ているデータが違いすぎて間違った予測になってしまうのだ。
さらに、過去の訓練データが多すぎるせいで、新しいデータが反映されにくくなってしまう欠点もある。難しく言うなら、過剰適合状態であれば、再適合は行われない。経営学的風にいうなら、持続的イノベーションの下では、破壊的イノベーションは起きない、ということである。

日本軍にも同様のことが起きた。
新しい意見、「この島を攻めるべきだ」「この作戦ではうまくいかない」などの意見を取り入れず、過去の成功と同じような短期決戦・奇襲攻撃をとってしまった。その結果、日本軍はアメリカ軍に大敗した。

人間の過学習

人間にも過学習は存在する。
それは、過去の栄光に浸るということである。
多くの書籍には、偶然成功したビジネスが未来永劫続くと考え、継続した結果失敗するという事例が挙げられている。
これが、人間にも当てはまる。
我々は、過去の成功、過去の栄光に浸り、新しいものを取り込めなかったり、新しいことにチャレンジできなくなる。
コンフォートゾーンからの脱却というのは、過学習を防ぎ、イノベーションを起こせということである。
皆さんも過去の栄光、プライドを捨て、日本軍と同じ失敗をしないようにしてほしい。

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