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指導の「ウィンドウ」は開いているか ~ 人は話を聞こうと思う時しか、話を聞かない

ミスミという会社に私が入社してすぐのこと。当時、私の上司にあたる高家さん(当時社長)に連れられて、三枝さん(当時会長)のところに入社のあいさつに行きました。入社前に面接もあったので、知らない状態ではなかったということもありますが、あいさつもそこそこに、高家さんと三枝さんの会話が始まって、私はそれを聞いているだけという状態になってしまいました。その時、進んでいたプロジェクトの話などもあったのですが、「指導のウィンドウ」という話になったことを覚えています。

何のことかと言うと、人材を育てていく、教育するにあたって、指導が効くタイミングは明確にあり、そのタイミングを逃してしまうと教育効果はなくなってしまうということ。その窓が開いているときに、機を逃さずに指導を行うことが重要ということでした。

コーチングの研修を受けたときに、同じようなことを言われたことがあります。他人が話を聞くことができるのは、話を聞く受容体(レセプター)が立っている時で、それが閉じているときは何を言っても話を聞かない。だから、話を聞かせるためには、レセプターが立っている状態を作るか、その機を逃してはいけない、と。

特に会社という組織の中では、面従腹背というところまでは行かなくても、多くの人はそれぞれの思いがある中で、その思いとは別に「言われたことだけをやっている」ということもよくあるもの。だから、特に人間としての在り方、姿勢をとらえての指導は面白くないと感じられることもあるし、素直に聞いてもらえないことが往々にしてあります。

そうすると本人が特に自身が原因で失敗したと認識できているときが、指導を行う絶好の機会となります。失敗を責めるのではなく、それを機会として捉えてやることが重要なのです。ウィンドウが開いているその時に、具体的に何をどうすればよかったのかをフィードバックしてやることが、成長の機会を最大化する指導です。

こんな話をする時には、よく子育てを例にします。子供もそうで、自分が悪いと思っている状態になっていないと、親の言うことも聞かないですよねって。あなたが中高生の頃、親の言うことなんか聞こうと思わなかったでしょって。まあ、私ほど反発心の強い人間も多くはない気もするので、私が言うのには例が悪いのかもしれないですけど 苦笑

こんな記事を書こうと思っていたら、マッキンゼーの元同僚であるコンカーの三村さんが素晴らしい本を上木されました。こちらにはより具体的なフィードバックについて記載がありますので、今度、会社で課題図書として取り上げてみたいと思います。



今週のChat GPT作品
「暗い部屋の中に窓が一つある。窓にはカーテンがかかっているが、隙間からは青空と白い雲が見える」

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