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「元気を出せ」では元気は出ない ~ 経営リーダーがやるべきこと

「元気があれば、何でもできる」と言ったのはアントニオ猪木で、晩年の彼の定番のマイクパフォーマンスでした。ただ、多くの観客はこの言葉を聞いたからと言って自分自身が「何でもできる」と感じているわけではなかったのではないでしょうか。猪木さんだから何でもできるんであって、何者でもない自分たちが、なんでもできるわけではないですよね、って思っていたのではないでしょうか。

ミスミに入って、三枝氏の研修に出たときに言われて衝撃を覚えた言葉の一つが、「元気を出せ、といくら言ったところで、元気は出てくるものではない」というものでした。一瞬元気が出たとしても、それはすぐにしぼんで、前以上の沈滞した状況になる、と。衝撃を受けたというより否定をされた、ということでして、なんせ、その前の自分は「カラ元気も元気のうち」と思っていて、元気を出していれば、いずれ活気が出てくるのではないかと思っていたのですが、それを全否定される言葉だったからです。

考えてみれば当たり前で、組織においても、個人においても元気が出てくるのは、いろいろとうまく行っている時です。考えた打ち手がうまくまわり成果が出る、自分自身の経験・実績も積める、そんなときであれば、どんどん元気は出てきます。そういう結果がついてこないカラ元気では早晩行き詰り、元気は消えてなくなるのです。カラ元気が出発点であっても、それがうまく歯車が回る最初の一押しになる、そんなことになればひょっとすると成功につながる可能性はありますが、そうでもなければ、カラ元気に意味はないのです。

当然ですが「うまくまわる」状態を作り出すには、いろいろと考えないといけません。よく構想された戦略があり、それを実地に落とし込むプロセスや人事が必要です。これらが整っていないとなかなか「うまくまわる」状況にはならないので、ストレートに考えれば、元気を出すためには、いい戦略とそれを実地に落とし込む実践力が必要、ということなのです。

リーダーに求められるのもこういった点ですよね。元気を出せ、と社員に対して言うより、まずは自ら戦略を出せ、と三枝氏に言われた思いがしたものです。

Chat GPT作品
マイクパフォーマンスをするプロレスラー


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