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起業しようぜ ーー The $100 Startup を読む

資本金1円から起業できるようになって20年近くですか。クリス・ギレボー(Chris Guillebeau)のThe $100 Startupも人気が出て、邦題は『1万円起業』でしたけど、実際1円や1万円で起業する人はどれくらいいるんでしょうかね。

私が最近でいちばん好きな起業エピソードは、『愛するよりも愛したい 令和言葉・奈良弁で訳した万葉集』を自費で出版した佐々木良さん。コロナで仕事がすっかりなくなって、給付金の10万円を資本金に、いわゆる一人出版社を立ち上げます。印刷から発送まで全部自分一人でこなす形です。売れに売れていまやシリーズ3作目、「税金で助けてもらったので、納税1億円で恩返しすることが目標」とのこと。いい話じゃないですか! だいすきですよこの話! 

やっぱり起業するなら、自分のすきなこと、得意なことで当てたいですもんね!

っていう前のめりな我々に対して、待て待ていったん落ち着け、って言ってくれるのが、The $100 Startupです。

この本は、起業するにあたって、どういう視点が必要か、どうマネタイズするのか、宣伝はどうすればいいか、などなど、実際に現場で必要になる作業を、順を追って丁寧に、実例をまじえて、教えてくれます。すっごい便利でです。おすすめ。

ただまあ、これは起業天国アメリカにおいてのおはなしなので、日本では細かい法律やなんかが違っていて、これと全く同じ手順では進められないこともあります。が、それでも、ここで詳述されている方向性と考え方、本当に勉強になります。

で、そもそも何をビジネスにすればいいのか、そのアイデアさがしをどうするか。起業したい!って気持ちだけじゃ、起業できませんからね、当たり前だけど。

このとき我々は、自分の好きなこと、得意なことを、商売にしよう、って考えがちだけど、それがいちばんの間違いだ、ってクリスさんは指摘します。

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