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専門外の色の話

本日は読書記録です。

本のタイトルに、「色」とか「色名」がついているとパッと目が引き寄せられてしまって。

私の専門とは全く違う世界の色の本を2冊ご紹介。

ひとつは、共感覚者が見ている世界。

『1は赤い。そして世界は緑と青でできている』
望月菜南子著 飛鳥新社

共感覚についてはググっていただくとして、著者の望月さんは、数字と文字を見ると色を感じる共感覚者。

共感覚がない私にはイメージすることしかできませんが、文字を見ると脳内に色が浮かんでくるそうで。

私たちの感覚の「色が見える」とはまた違う感覚みたいです。

共感覚者のリアルな体験と、どう感じるのか、共感覚は得するの?といった疑問に答えてくれる一冊です。

共感覚のことを知りたい人はぜひですし、私は共感覚者だという方にもいい一冊ではないでしょうか。


身近な人に共感覚者がいたら、生活でどんなことを不便に感じるのかを知る手がかりにもなりそうです。


ちなみに、望月さんは「ら行(ら、り、れ)」は黄色に感じるらしく。

私もら行の響きは黄色だなーって昔から思っていました。

これは共感覚ではなく、言葉のイメージと色が体験的に結びついたのかな。

共感覚と一緒だったのが興味深いところです。


そしてもう一冊は、青色発光ダイオードでノーベル賞をとった中村さんの本。

『赤の発見 青の発見 高輝度LEDで光の三原色をつくった天才たち』
西澤潤一+中村修二著 白日社

光の三原色は色の勉強をしたらまず初めに出てくるおなじみカラー。

対談形式で読みやすいとはいえ、科学がサッパリな私には難しい話もたくさんでした。


色の話よりおもしろかったのが、第5章「創造的であるために」

新しいものを生み出すには、人がやっていないことをしないといけない。

人生訓にもなるような先生方のお話は重みがあります。

先の言葉なんかごくごく当たり前のようですが、日本の研究者はそれを自由にできないそう。

すでに先人(アメリカとかで)がやっていることが評価され、科学の常識をひっくり返すようなことをやろうとすると研究費が出ない。

明るい青色LEDなんか作れないと言われていた常識を、「いや、作れるんだ」とコツコツ研究していた中村さんはもはや変人扱い。

研究者を苦しめる日本の悪き文化が赤裸々に語られていて、そこも興味深い内容でした。

これじゃあ日本でノーベル賞レベルの科学者が生まれないよね、、、



ご紹介した2冊は難解な本ではありませんので、秋の夜長のお供にいかがでしょうか^^


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