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おじさん、妻を語る、の巻

2021年12月20日(月)、今日こそ、ただの日記です。

これ、女性に限ったことじゃないのだと思いますが、うちの妻は、そもそも気になったことや頭に浮かんだ言葉を口に出さないと気が済まない。心の声がダダ漏れちゃうんです。

代表的なのは、トイレ。
ほぼほぼ必ず、家族に対し、①自分はとても尿意を覚えたこと ②しかも、長い間、我慢していたこと ③したがって自分は満を持して用を足すのだ、ということを宣言してから入っていく。

家族中から、「いちいち宣言しなくていい」と言われても直らない。

別のエピソード。
まだ子供たちが小さかった頃、彼らを妻の実家に預けて、二人でマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を深夜営業の映画館に観に行った。映画の主役であるマイケルが既に故人となっていることもあり、映画全編、見終わっても観客は一言も言葉を発せず、シーンと静まり返り、音もたてずに席を立ち始めた。

そのとき、

「ねえ、青ちゃん(俺のこと)、マイケル・ジャクソンって指が長いの?」

と、妻が高らかに、俺に質問してきた。周囲の人たちには確実に聞こえたようだった。

もちろん、俺は出口にたどり着くまで質問が聞こえなかったふり、
もっというと、「この(素っ頓狂な)質問を受けた『青ちゃん』とは俺のことではないですよ」空気をつくって無言で劇場を出た。

マイケルが手袋を外すシーンが何度かあって、その都度、彼女は、「指が白くて長いなぁ」と思っていたそうだ。。。

「もっと、他に気になるところ、感じるところあったでしょ?もっと言うと、言葉も発せられないくらい、彼のプロ根性に圧倒されたでしょ?」と俺が責めると、「何を怒っているのか、わからない。思ったこと、気になったことを口にしてなにが悪いのか?」と反論してきたので、めんどくさくなって、俺は話すのをやめた。妻は、まったく気にせず「ねえ、マイケルってなんで、あんなにズボン短いのかな?」と別の質問を口にした。

ま、そんな感じ。

で、今日、お昼にちょっと時間があって、会社の近くの喫茶店でぼんやりしていると、入り口のほうから、

「3人! 無理? 席ない? あ、消毒? あ、検温?」

「ボソボソボソ(若い店員の応対する言葉)」

「え? ダメ? 座れない? 3人! あそこ、あいてるけど。 あ、大丈夫? あ、検温? これ? え? 顔? 近づけるの?」
別の声が、
「午後の休憩、何時から? え? カウンターしかあいてないの? あ、検温? え? これ?」
別の声も、
「ランチセットまだ大丈夫? 3人分? え? サンドイッチ? あ、検温?」

と、ひとりひとり、みんなが、心のなかにポップアップした言葉をそのまま、のどをスルーさせて口から吐き出している。お歳のころでいうと、俺(50歳)より15~6個上くらいの先輩お姉さま方。ちょうどキャンディーズと同級生くらい。

俺はひとり「これです! これなんです!」と、心のなかで頷いた。
「つまり、こういうことです」と。

でもこれ、たまたま、書いている対象が女性なだけであって、性別関係ないんだろうな。俺も、家で一人でいるとき、一人なのに「えーっと、はい、リモコンを探して、テレビをつけて、っと」とか「ダメだ、ダメだ、このままではダメだ。まずは風呂をわかして、カラダ洗って、っと」とか、自分のするべき行動を言葉に出すもんな。

それでも、うちの妻は、頻度でいうと、圧倒的に俺より「漏れ」っぷりがひどい。

これも随分まえ、
「俺の言ったことに対して、すぐになんでもかんでも『なんで?』と聞くのは禁止ね!」と言ったら、 「なんで?」だって。

ま、みえみえのオチでごめんなさいね。そんな感じです。


おわり




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