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おじさん、自分のダサさに気づいて反省する、の巻

2021年12月12日(日)、朝から何もしていない…。

なんの考えもなく、テレビをつけたら、前澤さんという会社社長が、日本人として初の民間人による宇宙旅行に成功したことを大々的に報じていた。

番組のMCによると、これについては、宇宙旅行という夢の実現を果たした彼自身の努力と、一般の人たちに「自分たちも宇宙に行ける!」という世界を開いた功績への賛辞とともに、「金持ちの道楽」などの後ろ向きな評価もあった、ということだった。

妻(48)と娘(高3)も同じテレビを見ていた。

俺が「いや、これはほんとに凄いと思うけど、でも、いつかは、誰かがやるんだろうなぁ、と思ってたから、俺的にはそんなに響かないんだよなぁ。もちろん、日本人初!っていう快挙は凄いと思うんだけど、ドンドンお金を稼いで、世界中行き尽くしたら、『世界中行き尽くしたから、次は宇宙にでも行こうかな?』ってなるんじゃない?自然と。 お金持ちは誰でも」と言うと、

妻と娘が「えええ!!!」と、こちらが引くくらい驚き、「だって、宇宙だよ?! 世界一周とは、全然違うでしょ?レベルが! 地球を出ちゃうんだよ。特別な訓練とかして!」と、俺のおかしさを多方向からただそうとし始めた。

俺は「いやいや、俺、それだったら、野茂英雄が、日本人で初のメジャーリーグ三振王になった!とかの方がインパクトあったけどな。
『誰でも出来ることじゃない』感で言ったら、野茂のほうじゃない?」と食い下がった。

そうしたら妻が「誰でも出来る可能性があるのに、でも結局、誰も出来ずにいて、彼が最初にやったから凄いんじゃん!
私だって宇宙、行きたい! ほんとに凄い!」と、手放しで前澤氏の快挙を褒め称えた。

そのとき、俺は、「あ、これだ」と心の中で気がついた。

「俺、結局、嫉妬してるんだ」と。

要は、これは「男の甲斐性」選手権とか「稼ぐ力」選手権なんです。俺の中で。

前にも書いたと思うけど、今、我々一家が住んでるのは、妻の「元」実家。妻の両親は隣家の住人が高齢化に伴い土地を手放してマンションに越して行った際、その土地を買い、こじんまりとした家を建てて、そっちに越した。そしてそれまで住んでた家(つまり、妻の生家/実家)に、我々一家を住まわせてくれた。その家は今でも妻の父親のものだけど、我々からは家賃も取らない。
そうして、うちと妻の実家はお隣りさん同士になった。

「ごっつぁんです!」

どこかの大学の前理事長ではないけれど、そこに住まわせてもらうことが決まったとき、俺は心の中で、そう叫んだ。

ちなみに、俺の実の父親も、生涯、自分で家を建てたことはない。歯医者をやっていた俺の母方のおじいちゃんが娘(俺の母)のために建ててくれた事務所兼住居のような家に住んだ。つまり、俺も親父も全く同じように、妻の父親に家をあてがってもらった。
2代続く「ごっつぁん」体質。
「ごっつぁんです!」

そんな俺だから、「男の甲斐性」選手権とか、「稼ぐ力」選手権なんかがあったら、予選落ち、というか大会出場資格無しなのです。

そこにもってきて、やれ、ベンチャー企業の社長だ、皆んなにお金配るだ、宇宙に行くだ、と、これでもか、とその甲斐性とか稼ぐ力を見せつけられたもんだから、俺、嫉妬してるんだな。彼の才能に。

それが自分の中でわかって、スッキリした。
と、同時に「他人と自分を比べるな」とか、「人は人、自分は自分だ」なんて偉そうに会社の後輩とか自分の子どもたちに言ってきたことも思い出した。はずい…。これははずい。

ということで、もう、そんなこと言うの辞めます。だって、俺、やっぱり、そうやって、自分にない能力や実績作れるひとと自分をどうしても比較しちゃうだろうから。

だから「こんなこと言ったら、『アホか?』って思われるかな?」と思うような夢を語って、偉い人たちに「青臭い」とか「非現実的」とか、したり顔で批評されることにもへこたれず、愚直にその夢に向かって邁進して、結果成し遂げた前澤さん、あなたは立派です。何もしてない俺が、偉そうに野茂さんと比べたりして、ごめんなさい。

ということで、朝から自分のダサさに気づかされ、反省した、という日記でした。

おわり

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