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【エッセイ】三日月とラベンダー

三日月の夜は
ラベンダーの香を焚き
手紙を書きます

封筒には名前だけ
その人は
もうこの世界にいないから

今頃はきっと
三日月に腰かけて
私を見ているはず

大好きでした
忘れなくてもいい人
どんなに私が悪くても
気持ちを汲み取ってくれる人でした

ある時から
その人の気配が世界から消えている、
と感じました

風の中に、ふわり
ラベンダーの香りがして
ここにいるよ、と
伝えてきたのです

私が困っているとき
悩みに打ちひしがれているとき
ラベンダーは現れます

香りとして
生花として
文学の中に
私の周りのあらゆるところに

花言葉は
「あなたを待っています」
そして、偶然にもその人の誕生花

私の勝手で離れたのに
形がなくなった今でも
見守ってくれている
思い違いかな?

思い違いでもいい
守られている、と感じれたら
私は強くなれるから



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