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#ネタバレ 映画「猟奇的な彼女」

「猟奇的な彼女」
2001年作品
ダーリン
2003/3/15 21:57 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

女性的に育った一人の男がいる。

この映画は彼が兵役につき、葛藤しながらもゆっくりと男性的に生まれ変わっていく姿を、斬新でユーモラスなタッチで描いた良作なのかもしれない。さながらアジア版、映画「愛と青春の旅立ち」であるが、又違った味わいがある。

猟奇的な彼女とは、実は彼自身のことであると思う。

気が大きくなりたい彼にとっての理想的な自画像である。

なぜなら、一般論として恋人とは、「間違いなく他人でありながら、とても他人とは思えない親しい存在」であるからである。

彼が酒を飲むたびに理想の彼女が目の前に現れる。

それは酒の力で気が大きくなった自分が出現した事を表している。酒は変身願望を満たしてくれる魔法の薬である。

彼女が酒を飲んで電車で粗相をするのも、実は彼自身の過去の苦い経験である(このシーンだけは、リアルなので、あまり見たくない)。

電車の中で彼女が叫ぶ「ダーリン」これは意味深で決定的なセリフ。

そして男子トイレに入る女。

これらは、猟奇的な彼女が、彼と知り合う前から親密な男性であること(つまり自分自身)を示しているのかもしれない。

遊園地のエピソードは、女性的な遊園地と、男性的な軍隊が同時に出現する面白いシーンである。

そのときに脱走兵が失恋の話をする。

この話は、映画の後半、猟奇的な彼女と彼が3年ぐらい離れて暮らすエピソードとも関連がありそうだ。

軍隊生活での恋人たちはさぞ辛かろう。

この映画では兵役で離れ離れになる恋人たちの哀しみも歌っている。失恋兵も、もしかしたら彼自身の過去の心の姿の一つかもしれない。

そして彼は除隊後お見合いに行く決心をする。

男にとってお見合いは、ほかに好きな娘がいたり、自分に自信がない場合はなかなか行けないものである。

兵役がきっかけで彼は失恋も克服し、男性的に生まれ変わり、お見合いぐらいには行ける様になり、幸せをの扉を開くのである。

(追記) 2022.10.9 ( お借りした画像は )

キーワード「遊園地」でご縁がありました。レストランではないかもしれませんが、大きな遊園地なら、このようなレストランもありそうですね。灯りがもれてきて、幸せが見える気がします。少し上下しました。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)



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