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#ネタバレ 映画「となりのトトロ」

「となりのトトロ」
1988年作品
子供に教える自然の叡智
2012/7/25 10:26 by さくらんぼ (修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

1970年の大阪万博に続き、実に35年ぶりの2005年に愛知万博が開かれました。

テーマは「自然の叡智」でした。そして、その会場には映画「となりのトトロ」に登場する「サツキとメイの家」が再現されのです。当時は大企業のパビリオンにも負けないぐらいの大人気で、なかなか見学できなかったようです。

では、なぜ愛知万博に「サツキとメイの家」が建てられたのでしょうか。それは愛知万博のテーマと、映画「となりのトトロ」のテーマが似ていたからなのだと思います。

それでは映画「となりのトトロ」のお話しをしましょう。

サツキとメイのお母さんは田舎の病院に長期入院していたようですね。

映画で直接病名は語られていませんが、たぶん結核で隔離病院みたいな所へ入院したのだと思います。それが田舎にある意味は、自然の転地療法の効果も狙っていたのだと思います。転地療法とは一般に環境の良い自然の中に身をおき療養することです。忙しい都会生活で疲れた人が温泉でリフレッシュするのも、ハワイに行くのも、広義の転地療法です。

そして、お母さんの後を追うように家族は田舎に引っ越してきました。家族の入院先が遠くでは不便ですから。

お父さんは考古学者らしいですが、おそらく、ほとんど騒音のない静かな自然の中で、さぞかし研究もはかどった事でしょう。

人の健康に自然環境の何が効果があるのかは、西洋医学の手術や薬効の様にはハッキリと目に見えないのでしょうが、効果は確かにあります。経験的にも環境が体と心に与える効果は想像以上に大きいと感じています。

でも、これは大人には思い当たる節があっても、小さな子供には説明が難しい。だから、子供にはトトロと猫バスで教えていたのではないでしょうか。

メイが母親の元へ行くといって行方不明になったとき、村人総出でさがしても見つかりませんでした。

日はどんどん暮れていきます。

こんな、人知では解決できない時に、映画ではサツキが自然の力にすがってみたのです。それでトトロと猫バスの登場でした。あれは転地療法の視覚化ではないでしょうか。これで幼い子供にも目に見えない自然への畏怖が教え込まれるのです。自然とは仲良くしなければならない。映画「となりのトトロ」はそんな教育映画でした。

今、ラジオからバッハの「G線上のアリア」が流れています。

原発事故では放射能がトトロの森を汚染しました。封鎖され、人々が帰れない場所も出来ました。この事を、映画と同時に子供にも教えたいと思います。

映画「となりのトトロ」を永遠の名作と呼ぶ人もいますが、本当に素晴らしい作品でした。

仕事で疲れている人は映画前半で不覚にも寝てしまいがちです。あまりに緩やかな時間が流れているから。でも、それで良いんです。それもひとつの転地療法です。眠りたい時はまず眠りましょう。それで、元気になったらラストまで鑑賞できる時がやってきますから。

★★★★★

追記 ( 暑いときは木陰を歩く ) 
2015/8/7 21:56 by さくらんぼ

木陰が涼しいのは、

樹の体温の

おかげです。

人の体は、両手を左右に広げたぐらいまでの範囲の「気」で包まれています。

「気」は体温に近い温度になっています。

これは樹木でも同じ。

樹木では、特に枝葉のところに「気」が多く集まっています。

夏、木陰に行くと涼しいですよね。あれは、樹の「気」が、気温よりも冷えているからです。たんに日陰になっているからと言う理由だけではありません。私はそう考えます。

だから、大きな木の木陰は、涼しい上に「気」の集まっている、ある意味パワースポットなのです。

TVなどで、ときどきツリーハウスを見ますが、あれは、大発明の極楽ハウスなのでしょう。

大きな樹を庭にお持ちの方、ツリーハウスは無理でも、ハンモックぐらい吊るせたら良いですね。閉鎖空間のエアコンとは、また違った快適があるはず。

禅の「非風非幡」みたいな話をします。「気」は煙とは違い風に流されません。強風の日に私自身も立禅で実験済みです。「気」のボールは私の心が揺れると揺れますが、強風が吹いても微動だにしません。揺れた時は、強風ではなく、強風に怯んだ私の心が「気」を揺らしたのです。不思議でしょ。だから屋外使用に適しています。さらに「気」は体内に沁みこみます。だから冷却効果は大きいはず。

あれを「ツリー・エアコン」として、マシンで再現できたら、すごいと思いますよ。科学者のみなさま。

追記Ⅱ ( 2025年に大阪万博か ) 
2016/9/19 22:52 by さくらんぼ

9/19の日経新聞によると、大阪では1970年に続き、2025年にも「万国博覧会」を誘致しようとの議論が進んでいるようです。それは「2020年東京オリンピック・パラリンピック」後の、経済失速を防ぐためでもあり、テーマは「人類の健康・長寿への挑戦」とか。

2025年なら私もまだ元気でしょう。まだまだ元気でいるつもりです。そして二回、三回と、大阪万博を見学したい。生きている内にはもう「日本で万博は無い」と思っていましたから、この知らせには飛びあがるほど嬉しく思いました。

いくらネット時代になっても、リアルで海外へ行って体験することにはかないません。またリアルで海外へ行っても、現地で「本物・超一流に出会える」とは限りません。つまり、ハワイへ行けばいつでもフラを見ることが出来ますが、コンテストで優勝したチームの芸術的フラとか、儀式になると出てくる様な大家のフラなどは、簡単には見られません。

でも、万博でなら見られる可能性があるのです。世界100を越す国や地域の「本物・超一流」が、その「国の威信」をかけて集結する大博覧会だからです。だからネット時代でも万博は価値があるのです。機会があったら皆さまもぜひお出かけください。

ところで、私の見落としでなければ、その新聞記事(B5サイズ程度)には、2005年に「愛知万博」(愛称は「愛・地球博」)が愛知県で行われたことには、まったく触れられていませんでした。もし2025年の大阪開催が決まると、日本では3回目の万国博覧会になります。

追記Ⅲ ( 記録的な日 ) 
2017/3/31 8:40 by さくらんぼ

あの休日、愛知万博へ出かけた私は、会場周辺のあまりの混雑に驚きました。後で分かったことですが、あの日は記録的な入場者数がニュースになったほどの日だったのです。

まず電車内の大混雑。つぎは電車からシャトルバスへ乗り換えの大行列。

消耗しながらやっとの思いで会場前までたどり着いたのに、またそこに、うねりながらゲートまで延々と続く大行列。

さすがの私も「今日はやめた方が楽だ。。。」そう思ってUターンしました。一人旅はお気楽です。

帰りの、ガラリと空いた電車の安堵感。ほっとする冷房も入っています。

ふと気がつくと、斜向かいには60代と思われる品の良いご夫婦らしき人が、静かに話をされていました。

聴くともなく聴いていると、どうも大阪からの旅行客の方で、子どもさんからプレゼントされた愛知万博旅行に来たけれど、あまりの大渋滞に、あきらめて、私みたいに入場せずUターンしてきたようです。

最後にご主人が言いました。

「子どもたちには、入れなかった事は言わないでおこう…」。

私は、先ほどまでの安堵感は消え、なぜか心の中で頭を下げていました。

追記Ⅳ ( 防災と減災 ) 
2020/3/21 16:45 by さくらんぼ

>1970年の大阪万博に続き、実に35年ぶりの2005年に愛知万博が開かれました。

>テーマは「自然の叡智」でした。(本文より抜粋)

欧米人にとっての自然とは、「人間が力ずくでねじ伏せるもの」らしいです。

しかし、あざやかな四季があり、地震・台風・火山・津波と同居する日本人にとって、自然とは「叡智も悟り共存するもの」なのでしょう。

その自然観の違いが、新型コロナウイルスの対処法の違い、その深層にもあるのかもしれないと思いました。

追記Ⅴ ( お祭りとは人混み ) 
2021/8/10 9:16 by さくらんぼ

2005年愛知万博のとき、日帰り圏内の私は、パスポート券を買って数回行きました。知人たちに聞いても平均2~3回は行っていたようです。

私よりもっと近く、会場周辺にお住まいの方には、散歩のように毎日会場に出入りしていた方も少なくなかったようです。

もちろん世界中からお客様がいらっしゃいます。そのため、前述したように会場までの電車やバスはラッシュ以上の大混雑でした。

ショーに感動するのが半分、人混みに驚くのが半分、それが私が体験した愛知万博でした。

おもに追記Ⅱ~Ⅲに書きましたが、その圧倒的な人混みも、今となっては懐かしい思い出の一つ。賑わってこそのお祭りです。

あと4年。

2025年大阪・関西万博にはコロナ過も収まっていると思いたいです。




( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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