バーチャルアイデンティティについて

メタバースがファッションに対して与えた影響について、とても面白い記事をTwitterでTLに流してくれた方がいたので英語の10,000字越えの記事ですが読みました。
そこから思ったことをつらつらと書いています 。

長い長い英文の文章なのでという人のため下記に要点をまとめました。

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【気になった部分だけ、要点!】
- バーチャルインフルエンサーが影響力を持って来てるよ

- SNSでの加工された"完璧な自分"を実現することで懸念される精神作用(コンプレックスの肥大)があるよ

- SNSで表出している自分と現実の自分の乖離があるように、バーチャルアイデンティティと現実の自分とに乖離が起こるのでは、という懸念もあるよ

- 2007年に行った調査で現実の世界に対してアバターが及ぼす効果を調べたら実生活で自信を持つ人もいることがわかったよ

- 性的なアバターを使っている人はそうでない人に比べて社会適応しようとする傾向があることもわかったよ

- メタバースでは自分をキャラクター化する傾向にあるため一般的な"美"の基準に捉われないよ

- 現時点での消費者たちの大多数が"ストレート、白人、男性"のため、将来的に美意識が偏ったものにならないか心配だよ(RTSLSS CEO, Charli Cohenの意見)

-かつての植民地支配や搾取資本主義のように、デジタルアバターも同様の流れのパワーゲームになる可能性があるのではないかという懸念があるよ

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詳しく読んでみたい方には機械翻訳(deepl)ですが下記URLをどうぞ。

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また、その一方で下記の記事にあるように、自分に似ていないアバターの方が自分らしく振る舞えるという研究結果もあります。

どちらにも共通していることは、アバターからリアルへのフィードバックがあるということだと考えています。

ここでデジタルファッションの話をします。

デジタルファッションには、質感と重量がない=洋服に対しての没入感がないのでは、ということがずっと気になっていました。
ファッションの持つ役割に、自己実現的意味があります。
洋服に袖を通す時に、質感と重量、着装した自分の姿を眺めることで変身後の自分と出会うことができ、自己実現欲求が満たされる。
ですが、2つの記事から自分のアイデンティティをどこに軸を置くかによって、もしくは、どちらの自分も同様に自分であると認識することによって、リアルでもメタバースでも自己実現の達成はなされるのだと感じました。
データによって表現されたデジタルファッションアイテムをメタバースで身に纏うことで、自己実現欲求の充足がリアルにフィードバックされると思います。

Z世代の大学生と話した時に、文化が違う!と思ったことがあります。
「可処分時間をメタバースとリアルとで比べた時に、メタバースでの見た目を整えるためにアバターを購入する方が合理的じゃないですか?デジタルであれば洗濯や手入れも必要ないですし」

この話を聞いた時には、理解が及びませんでした。
今、いくつかの事例を学習して考え方が変わりました。
バーチャルファッションは、リアルファッションと同じくらい、現実の自分に対して影響を与えるものだと考えています。

また、日本人の場合、アニメやゲームやマンガなどがすぐに手が届く環境にあるため、人格の抽象化、記号化にはすでにリテラシーが高く、自己のアイデンティティのキャラクター化に対して素養があると思います。

(自己をデジタルツイン化することで心理的安全性を担保する例もありました。)


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