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染色仕上げの教科書〜機械、加工法など

染色の記事の大部分が消えてしまったので、記事を細かく分けて作成していくことにします。

精練、染色機械

オープンソーパー
リラックス効果を必要としない織物の前処理に使用します。
拡布にて処理され縦方向の張力が大きくかかります。そのため、皺の発生懸念が少なく、短時間処理で生産性が高いのが特徴で、基本的にはソーパー数層、あるいはソーパー数層とスチーマーの組み合わせで構成されています。

リラクサー
合成繊維の加工糸や異収縮混繊糸などの織物の精練、リラックスに使用します。
精練浴を噴射管から生地に噴射したり、機械的な衝撃を与えることで、短時間で均一な収縮、リラックス処理、精練を連続的に行うことが可能です。
効率的な設備だが、物理的な衝撃による目ヨレや皺に繋がりやすく加工素材が限定されます。また、泡が立ちやすいため精練剤の選定には低起泡性が求められます。

以降、連続式リラクサー

ボイルオフ
合成繊維の加工糸や異収縮混繊糸などの織物の精練、リラックスに使用します。
拡布にて無緊張状態で5~10分間連続的に処理されます。温度は、だいたい80~95℃とかです。無緊張状態で処理されるため、精練と同時に糸の収縮を利用し風合いのベースを作ることが可能です。
デメリットとして構造上大量の水(40t強)と蒸気が必要になり、一度稼動させると一週間程度連続で精練浴を使用するため浴疲労に注意が必要です。

ソフサー
シャワーで生地に水を噴射し、その衝撃で生地をリラックスされる機械です。
効果は低いため、プレリラックスとして利用されることが多いです。


液流染色機
未記入

ビーム染色
未記入

染色仕上げ機械

スカッチャー

染色や洗い加工された濡れた状態の生地を次工程で乾燥できるように拡布します。

乾燥機

タンブラー乾燥機
ドラムを回転させ熱風と叩きにより生地を縮め風合いを柔らかくしつつ乾燥します。

シリンダー乾燥機
シリンダー内部に蒸気を通し加熱させ、その表面に布を接触させながら乾燥します。

シリンダー乾燥の注意点:熱効率に優れていますが、タテ方向に引っ張られるため、リラックス効果を減少させる可能性があります。

ショートループ乾燥機
染色された生地を巾方向に引っ張らずに乾燥します。

カムフィット

生地を回転するゴムと熱ロールの間にはさみゴムの伸縮度により経方向に送り込む装置です。

カレンダー機械

カレンダーとは、布面を平滑にすることによって、光沢感を付与する目的で使われる数本のローラーが取り付けられた仕上機械のことを言います。

カレンダー加工すると光沢が出る理由は、生地表面がフラットになり、反射光がまっすぐ反射しやすくなるためです。

その種類には、「スイシングカレンダー、チェーシングカレンダー、フリクションカレンダー、エンボシングカレンダー、シュライナーカレンダー、フェルトカレンダー」などがあります。

ちなみに、布の通し方によって「スイシング法、チェーシング法、フリクション法」などの方法があります。

シュライナーカレンダー
生地を高温高圧でプレスすることで片面にシルキーな艶を出す装置、ダウンプルーフ加工機としても可能です。

ペーパーカレンダー
(冷ロール、熱ロール)
鉄と紙のロールで生地をプレスし繊維を潰さず表面をフラットにする装置。熱を抜くことで風合い出しも可能です。

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