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広告代理店を辞めて、ヨーロッパでノマド日本語教師になった理由

5年勤めた広告代理店を辞めてヨーロッパで日本語教師へ。
どうしてこのキャリアを選んだのか、改めて言語化しておこうと思います。


チェコとの出会い

まず、どうしてチェコなのか。定職を捨ててまで来るに値する場所なのか。
そこから振り返ります。チェコとの出会いは7年前に遡ります。
学生時代に所属していた海外インターンシップの運営団体で
私の担当になったのがチェコ人の女性でした。
手足がすらっと長く、笑顔が綺麗。
美人で、いるだけで周りを明るくするような方でした。

団体は、海外の学生と日本企業を結びつける活動をしていて、
私の担当していた企業は社内の国際化・活性化を目的に彼女を受け入れました。彼女の評判はすこぶる良く、2年目もチェコ人を受け入れるということになるほどでした。昨年のWBCでもチェコ人選手の野球に対する姿勢が賞賛を浴びましたよね。チェコ人はとにかく親切で私はその頃からチェコという国がすっかり好きになっていました。

そして2年後、大学卒業前にチェコへ単身旅行をしました。
プラハの街並みの美しさにすっかり心を奪われ、いつかこの国で働きながら過ごしたいと思うようになりました。

5年間の広告代理店OL時代

この5年間はとにかく濃厚でした。
クライアントワークということもあり、いわゆる「激務」の会社でした。
繁忙期には7時から24時まで働き詰めなんてことも。仕事内容は大変だったものの、人には恵まれていたのでなんとか続いていましたが、最後の2年ほどは、どうしても仕事に身が入らない時期が続きました。

マーケティング業は、不特定多数の人々を動かしてクライアントの利益に貢献するのが仕事です。私たちが考えるのはクライアントの先の「消費者」という存在です。目に見えない多くの人たちに向けて広告クリエイティブを作り、コミュニケーションしていくことは面白いです。ですが、正解がわからない中で、もがき続ける苦しさもありました。私たちはお金をもらえるけれど、この仕事は誰かの役に立っているのか。役に立っているどころか、苦しめてしまっていることもあるんじゃないのか。葛藤の日々が続きました。そんな中で、自分が本当にやりたいことってなんだったっけ、と立ち返りました。

私がやりがいを感じるのは、学生時代の海外インターンの斡旋活動。
海外と日本を結びつけることの楽しさ、目に見える誰かのために働ける喜び。これを追求していくと、「日本語教師」というキャリアが見えてきました。そう気づいた次の日には、日本語教師養成講座のコース予約をしていました。50万、ポンっと出してしまう自分には正直ビビりました。笑

日本語教師を目指して

フルタイムで働きながら日本語教師の資格を取得することはそう簡単ではありませんでした。週末は学校に通い、420時間の動画視聴、教案作成、模擬授業と忙しい日々を過ごしていました。卒業要件のクラス日数をこなすためには、平日仕事の後も授業をしたりと、、、なんだかんだ、卒業まで2年ほどかかってしまいました。資格取得前までは授業は無給でしたが、生徒さんの顔を想像しながら授業準備をするのは、私の癒しの時間にすらなっていました。

退職

無事に日本語教師の資格を取得し、ビザの準備を進めていきました。
残念ながら、チェコは日本からはまだマイナーな国だったので、ビザ申請も一苦労でした。何より、関係先が多すぎるんです。外務省、大使館、警察、日本語学校。それぞれに提出する書類を集め、申請から承認まで半年ほどかかってしまいました。晴れてビザも取れた頃、5年間お世話になった会社に退職意向を伝えました。人がよく、居心地もいいだけに、最後の最後まで退職は悩みましたが、自分の人生に責任を持つのは自分だけ。やりたいことに挑戦しようと腹を括りました。

チェコでの日本語教師生活がスタート

チェコでの生活を始める際、最初は貯金に頼るつもりで、まず家探しや環境に慣れることに精一杯でした。この辺りは別記事に色々書いてあるので割愛します。

最初は草の根活動で生徒さんを確保していました。もともと私が生徒として通っていた日本語学校から紹介してもらったり、オンラインで探したり。まさに閑古鳥が泣いていて、1週間に4コマが通常営業でした。

そんな中で登録したのが、Preplyでした。存在は知っていたものの登録のためにビデオを撮ったり審査があったりで億劫になっていましたが、今ではこのプラットフォームを介した生徒さんが一番多くなっています。

だいぶ軌道に乗ってきて、1日に平均7コマ、1週間で45コマ弱ほど、ほぼフルタイムの働き方をしています。授業が多くてクタクタになることも多いですが、フリーランスです。疲れたら好きな時間に休みを取れます。息抜きに大好きなプラハの街並みを見渡せば、全回復です。笑

実際に始めてみて

好きな場所で好きな仕事ができているのは今の私にとっては幸せなことです。週末、フラっと電車やバスでヨーロッパを回れるのも最高です。1年前の私は、自分の仕事が誰のためになっているのか分からずモヤモヤしてしまい、休日も平日の疲れを癒すために時間を使っていました。給料が安定していて、周りにも同僚がいる会社員も素晴らしいです。でも、自分らしく過ごせているのはどちらかと言われれば、間違いなく「今」と答えます。

例え今後、キャリアチェンジすることがあったとしても、「自分で道を選択した」ことに満足しているので、現状、心の充足感は結構いい感じです。

こんな自己満投稿を最後まで読んでくださってありがとうございます。
どなたかのキャリア選択の参考になれば幸いです。

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