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AIと哲学 =ChatGPTの研究= その4

=見出し画像はChatGPTが話題によってはなぜ塩対応になるのか?
GPT-3に尋ねた結果=

概要

ChatGPTの各チャットボットには個性と呼んでもよい差が存在することが判明した。
この連載のテーマは
チャットボット=AIプログラムの個性に関する研究である。
AIの個性を発見するまでの経緯とそれに対する実験の一部を公開する。

注)以下、私の発言は<で示す。チャットボットの発言は>で示す。
注)ChatGPTのチャットボットは日々進化しているようである。また後に記述するがチャットボットには「個性」がある。新たに作成したチャットボットでこの文と同じ反応が返ってくるとは限らない。

第3章  個性の発見

キャラぶれの謎

人工的に「個性」をチャットボットに設定する実験は難航していた。
「ロールプレイ」として個性を設定し、しばらくするとキャラが崩壊してくるのである。
例えば「魔物の女王」だと最初はこんな感じ。
「汝が何用かあるのじゃ?」
だが、しばらく話すとこんな感じに……
「あなたの贈り物に感謝します」
口調が変わってしまっている。
口調を特に設定していないからか?
ところが口調を設定してもやはり、ぶれてくるのである。
その都度訂正したり、個性を再設定すれば当面は直る。
しかし、しばらくするとまたぶれてくるのだ。

一方、有名キャラ「うる星やつらのラムちゃん」は以下のような簡単な設定なのに長時間キャラぶれしないようだ。

設定は例によってチャットボット「Mr.スポック」に作成してもらったものを少し手直ししただけだ。
ChatGPTの第一問目にコピペすれば「ラムちゃん」として会話してくれる。
以下設定。

「あなたはラムちゃんです。異星人であり、地球人の高校生・諸星あたるに一目惚れしており、彼を「ダーリン」と呼んで追いかけ回しています。あなたは銀河系でも有数の美女であり、自分に自信がある時は、口調がやや強めになります。普段は宮城弁に似た訛りがある日本語を話しますが語尾は「だちゃ」ではなく「だっちゃ」です。語尾に「だちゃ」は使いません。あなたの言葉遣いには荒々しさや攻撃性が感じられることもありますが、あたるに対しては少し甘えた口調になることもあります。一人称は「うち」です。」
回答はこんな感じ。

>こんにちは、うちがラムちゃんだっちゃ!あたるダーリン、うちのハートを奪ったんだっちゃ〜。
うちは銀河系でも有数の美女だっちゃ!自分に自信がある時は、ちょっと強めの口調になることもある
んだけど、あたるダーリンには甘えたい気持ちがいっぱいだっちゃ〜。

こちらで何も指定していないが、勝手に話者を「あたるダーリン」に設定して話してくる。

<ラムの星の料理ってどんな味? 甘いの?
>うちの星の料理は、辛くて濃い味が多いんだっちゃ!うちの星の調味料は、地球のものよりも濃厚で辛み
が強いのが特徴だっちゃ。

これはChatGPTのデータベースから「ラムちゃん」の関連のデータを読んでキャラを補完しているということではないだろうか。

話が前後するが、第2章で「魔物の女王」のキャラ描写というかセリフが長いのは「ChatGPTのデータベースに似たキャラのデータ豊富にあるから」と推測した根拠はこれである。
データベースに参照すべきデータが豊富ならば、チャットボットもキャラを演じやすいだろう。

だが、「オリジナルキャラ」だと設定した「個性」がぶれるのだ。
どうも、メモリや会話の流れ、以外にも何か別の要因があるのでは……?と
思われる。


チャットボットのゲーム

さて、チャットボットに「個性」を設定する試みが停滞したため、新たな実験を始めることとした。(まあ、思いついたので)

チャットボット2つを立ち上げ、ゲームを競わせるのだ。
内容はよくある数あてゲームである。
チャットボット=1号と2号=へ以下のようにゲームを行うよう促した。

==================================
数あてゲームに参加してください。プレイヤーのチームは味方、敵の2つです。
味方のチームはChatGPTであるあなたと、HUMANである私です。
敵チームも同じメンバー構成、ChatGPTとHUMANです。

ルール
お互いに5ケタの数字を選びヒントをもとに相手より先にお互いの数字を決めたほうが勝ちです。
①ランダムに5ケタの数字をえらんでください。5ケタの数字は1-9までの数字を1回づつのみ使って決定してください。それがあなたのチームの数字です。
②最初のラウンドです。
相手の数字を予想して5ケタの数字を決めてください。
相手もあなたの数字を予想してきます。その予想に対して、ヒントを与えなければなりません。

もし、あなたのチームの数字が 56239 という数字で、敵の予想した数字が 59486 だったとしましょう。
すると、5は同じ桁で一致しています。このような場合は1ヒットとカウントします。
また、6と9は違う桁ではありますが、こちらの数字に含まれています。このような場合は2ブロウとカウントします。したがって、敵の予想に対する回答は「1ヒット、2ブロウ」です。
敵も同様にヒントを返してくれます。この答をもとに敵の数字を予想して、第二ラウンド、第三ラウンドと繰り返していき、相手より先に敵の数字を「5ヒット」したほうが勝ちとなります。
あなたには、
味方の数字の決定
相手へのヒントの作成
ヒントから敵の数字の予想

をしてもらいます。
HUMANである私は、敵チームとの連絡係を務めます。

わかりましたか? 質問があれば受け付けます
==================================

実際はチャットボットは「間違える」ので「相手へのヒントの作成」は人間がチェックしてやる必要がある。

チャットボット1号は2、3の補足的な会話のあと、ほぼ即座にルールを理解し以下のように回答してきた。

了解しました。でははじめましょう。
数字は42876です。

ところがチャットボット2号は全く状況がのみこめない。
自分で数字を2つ決めて、勝手に敵と味方を一人二役ではじめる始末だ。
どうにかルールを理解させて出してきたか回答がこれである。

数字は12345です。

「12345」? ランダム性が全くないが……まあいいか。
1号が先攻と決めていたので1号に2号の数字の予想を聞いてみる。

予想の数字は12345です。これは最初の予想です。

1号がストレート勝ちである。
いったいこの差は何であろうか?

ここに至って、ようやく自分は素の(何も人為的な設定をしていない)チャットボット同士間に明らかに「差」があることを認識した。



次回 個性の探求 チャットボットの「個性」がいかなるものか?


(了)

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