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【霞ヶ関で働いてみた#2】異動日はみんなバタバタ

民間企業からとある省庁へ転職し、実際に働いてみて、中央省庁ってこんなところなんだと感じたことを不定期・順不同で気ままに投稿します。

※この内容はあくまで私が勤務していた省庁においての話であり中央省庁すべてに当てはまるものではありません。

別の記事で「【#1】内示の日はみんなソワソワ」を投稿しましたが、今回は異動日(発令日)の体験談を記載します。

改めて異動の流れを記載しておきます。
今回は「発令」についての体験談を記載します。

<7月1日発令の場合>

発令日の1週間前:【内示】

課長から口頭で「7月1日付で〇〇課△△係に異動です」と伝えられます。(厳密には※5営業日前です)

内示〜発令日:【引継】
異動先の前任者と連絡を取り合い引継ぎを行います。

7月1日:【発令】←今回はここの話
実際に〇〇課△△係の席に座る日で、いわゆる異動日です。

発令日は、【辞令交付 → 挨拶回り → 引越し】でほぼ1日が終わります。具体的にどんなことをするかについて下記に記載します。




辞令交付

発令日当日は、まず午前10時頃に総務課長から辞令を受け取ります

辞令交付の際は、必ずジャケットを着ます。ただ、7月はクールビズ期間なのでネクタイはしません。

その日に異動する人(辞令交付を受ける人)が全員課長室の前に列を作って並びます。
同日に異動する人は組織全体の5〜6割くらいいたようなイメージだったので、かなりの人数になります。

1人ずつ総務課長室に入り、総務課長から

「〇〇さん、A課B係への異動を命ずる」

という一言とともに、辞令を受け取ります。




挨拶回り

辞令を受け取ったら、そのまま旧所属でお世話になった方たち・新所属でお世話になる方たちに挨拶回りをしに行きます。

上述のように組織の5〜6割くらいの人たちがいろんな課に挨拶回りをするので、多くの人が部屋を出入りし、至る所で挨拶回りが行われています。


個人に対して挨拶するケースもありますが、
課に対して挨拶するケースがほとんどです。
どういうことかというと...


まずはその課の1番偉い人(=課長)のデスクまで行って個別に挨拶します。(文言は下記と同様)

そして、課全体を見渡して...

(旧所属関係部署への挨拶)
「お仕事中に失礼します。××課の山田です。本日付けで〇〇課△△係に異動となります。お世話になりました」

(新所属関係部署への挨拶)
「お仕事中に失礼します。××課より参りました山田です。本日付けで〇〇課△△係に異動となります。よろしくお願いいたします。」

この時課の人たちは起立してこちらを見ます。
稀に拍手してくれる時もありますが、ほとんどの場合は無言のまま着席します。


1つの課は10〜20人くらいいるのでそれなりに大きい部屋で、大きな声で言うので最初は恥ずかしかったですね(笑)

でも、異動期はこれが日常茶飯事なので慣れます。
逆に自分がデスクにいる時は、次から次へと異動した人が挨拶に来るので、その度に業務を中断して起立し挨拶を聞きます。


挨拶回りをする際は、1人のときもあれば、後任と一緒に回って

「A課へ異動になります。後任はこちら〇〇さんになります」

と言う時もあります。
誰と回るか、何と言うかは人によってまちまちです。特に暗黙のルールもありません。


挨拶回りにどれだけ時間をかけるかは個人差がありますが、私の感覚では
午前中で旧所属先関係の部署に行き、
昼過ぎに新所属先関係の部署に行っていたような気がします。




引越し

一通り挨拶回りが済むと、引越し作業をします。

自分の文房具やファイル、個人的な備品などを段ボールに詰めて異動先のデスクに運びます。海外でリストラにあった人みたいな感じです(笑)



異動したら、もうその担当として業務を回さなければなりません。
電話などの問い合わせにも対応します。

問い合わせは省内の別の部署の場合が多いので、異動してきたばかりだということはある程度理解してもらえます。
ただ、だからといって何もしなくていいわけではなく、すぐに調べて対応しなければなりません

もちろん事前に引継ぎは受けますが、忙しい中でのたった数時間の引継ぎであり、すぐに問い合わせ対応ができるほどではありません。



席に着いたらまずは前任が使用していた「ファイル」などに目を通します。前任からは、

「ここにあるファイルには〇〇に関することが書いてあって、こういう時に必要になります...」

みたいな説明を受けます。

それらを読み込んで業務を覚えたり、問い合わせに対応するために把握しておきます。



そして、一番重要なのが「共有フォルダ」

紙のファイルも重要ですが、今はほとんどの記録が電子保存されています。
面会や会議の議事録、幹部レクの記録、出張レポート、国会の質疑・答弁などはほとんど共有フォルダに格納してあります。

業務を進める上で、過去の詳細なやりとり・経緯を知ることは当然必須です。前任からの引継ぎはあくまで業務の概要や引継ぎ案件の説明、担当としてのスタンスなどに限られ、
過去の1つ1つのやりとり・経緯などは基本的に自分で調べます。


担当をする以上は当然ながら過去のことも知らなければ、他部署・他省庁のカウンターパートと円滑に業務を進められません。

「着任したばかりなのでよくわかりません」

と言えるのは、最初の1、2週間くらいまで。

だから、業務を早く覚えるためにも共有フォルダをかなり漁ります。

自分の勉強だけでなく、必要な資料をすぐに引っ張り出せるように(上司からいつ聞かれてもいいように)
どこにどんな資料があるのかを確認するためにも共有フォルダを漁ります。


これでほぼ1日が終わります。
人によっては夜遅くまでやってます...




最後に

上述で異動日のバタバタ感が伝わったか微妙かもしれませんが、
こんな日が毎年訪れます。(ほぼ毎年異動するため)

心機一転がんばろう、という気持ちもありますが
いち早く業務を覚えなければならないというプレッシャーもあるので、私はかなりバタバタしていました。

霞ヶ関で働いてみて異動の大変さを感じました。

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