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二十一杯目「六月泥棒」

ブレンド六月(井尻珈琲焙煎所
焙煎度記載なし
¥ask(頂き物のため)

雨が上がり、鈍色の空から燕の鳴き声がした。
世界は壊れる寸前だった。
数年前に流行ったあの映画のごとく、水没する筈だった。
だが、俺はここにいる。
目の前に……六月。
川縁を歩く。
土砂や倒木が流れていく。
重なる風景。
六月。


毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
優しい朝を迎えましょう。
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(四月一)


君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない