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沖縄と日本と台湾~アイデンティティとは~

noteを始めるにあたって私の故郷について話したい。


私は今年22歳の純日本人で沖縄県出身である。現在は台湾に住んでいるが、沖縄で生まれ22年のほとんどの時間をこの小さな島で過ごしてきた。

小さい頃は(と言っても生まれた時から図体はデカかったのだが)漠然とこの島を”ダサい”と思っており、こんなど田舎から早く出て行って東京や大都会に行くんだ!とパンクロッカー並みの野心を抱いていた。


沖縄出身の人は共感してくれると思うが、沖縄というのは非常に独特な島だ。一言で言うと、「日本でもなく海外でもない。」(ここで指しているのは文化的な意味でだ)私は紛れもなく”日本人”なのだが、別に正月におせちは食べないし、おはぎと大福の違いもよくわからない。なんならゴーヤーをゴーヤと呼び、北谷(ちゃたん)を北谷(きたたに)と呼ぶ本州の方に対して距離感というか圧倒的他国感を感じてしまう。

もちろん、だからと言って日本文化が嫌いなのではない、むしろ一種の憧れのようなものをいまだに抱いている、椎名林檎のMVのような日本文化に染まってみたいなんて外国人のようなことを考えたりもする(ある意味感覚は日本文化に憧れる外国人に近いのかも知れない)。そして同時に沖縄の文化にも誇りを持っている。

まさに”日本”と”沖縄”の狭間で生まれ育ってきた感覚があるのだ。


そんな私の元に人生20年目の時新たな刺客が現れた、それが”台湾”である。

旅行で母と訪れた台湾、初めて降り立ったのにも関わらずものすごい懐かしさと安心感を感じた。そう、夏休みにおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行った時のようなあの感覚。

台湾は日本政府による統治時代があったことから日本文化が根強く残ってる、だから日本人が親近感を抱いて当然だろう、そう思う人もいるのかも知れない。

だが、違うのだ、日本人とはいえども明らかに近い、沖縄から一番近い九州に遊びに行った時にはこんな感覚はなかった、さらに身近な感覚だ。これは紛れもなく台湾という地に潜む”沖縄感”、いや”おきなわぁ〜〜感”(どうか伝わって欲しい)であろう。


実際具体的な根拠を挙げろと言われるとかなり難しいのだが、思いつくので言えば"おばぁ"の共通点だろう。説明しにくいのだが台湾のおばぁは沖縄のおばぁとほぼ一緒だ。顔、話し方、佇まい、全て似てる、多分クイズにされたら見分けきれないくらい。おそらく日本本州の人からすると、沖縄の国際通りと台湾の市場は感覚的にほぼ一緒であろう。(この両者はどちらも現地のおばぁによって構成されていると私は思っている)


他に、食の部分でもものすごく似ている点がある。沖縄料理と同じく豚肉料理が多い、沖縄で豚は「鳴き声以外は全部食べられる」と言われるほど代表的な食材であるが台湾も負けてはいない。

台湾料理のシンボル滷肉飯(ルーローハン)

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豚の血を固めて作った豬血糕(ジューシエガオ)

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そして極めつけは

四神湯(スーシェンタン)

小腸四神湯-食譜成品照片

沖縄県民なら全員わかるでしょう、そう、あの中身汁とほぼ一緒なのである

ちなみにこちらが沖縄料理中身汁

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台湾に住んで2年目になるがいまだに違いがわからない。

他にも台湾人がよく使う台湾語”哎呀!”(アイヤー!)

察しの良い県民はすでにお気づきであろう、うちなーぐちの”アイヤー!”と同じである、なんと使い方まで一緒。(説明するのが非常に難しいのでわからない方は近くの沖縄県民に聞いてください)


ここまで来ると私は思った、


せーのっ










「ここが私のアナザースカイ」









そう、

私はその時人生20年目にしてアナザースカイを見つけてしまったのである。


その衝撃を忘れられず、あれから約2年後私はこうして今台湾に住んでいる。

”沖縄”と”日本”との狭間で揺れ動いていた私の心は、「”沖縄”と”日本”を感じさせる(どちらかと言えば沖縄よりな)異国」この台湾で落ち着いたのである。


もちろん今でも一番大好きなのは日本であり、沖縄というただ一つの故郷だ。(今こうして離れてみてみると幼い頃”ダサい”と思っていた故郷も誇らしく感じる)


いまだに自分にとってのアイデンティティは見つかっていない、でも今は故郷の温かさを忘れずにこの地で自分の道を見つけていきたい、そう思う。




追記

沖縄、日本、台湾、この3つの場所が私に教えてくれたことはまだまだたくさんあるのですが、その話はまたこれからゆっくり話そうと思います。

このnoteでは主に大好きな台湾カルチャーについて、観光では得られないよりディープな目線から書いていきます。他にも台湾生活や台湾以外の気になるトピックについても書くかと思います、つまりは自由な感じです。

とりあえずカッコつけた常体で書くのは疲れたので次回からは普通に日記みたいに書きます。ここまで読んでくれてありがとうございました〜



2021.07.15

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