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バレンタインとプロポーズ

無職のためハローワークに通いつつ、イケちゃんと遊んでいた。
もちろん佳哉にバレない程度に。
週に1回イケちゃんと、週に2~3回は佳哉と車の中やホテルで・・・
そしてバレンタインが目前になり、イケちゃんには有名なお高いチョコを、佳哉には手作りのチョコケーキを用意した。
イケちゃんはバレンタインの前の週に会う約束をしていたので、その時に渡した。
なぜかイケちゃんはチョコシロップを持ってきていて、私の身体にかけては舐めるを繰り返した。
だから私もイケちゃんにかけて、いつも以上にフェラしてあげた。
部屋中が甘い匂いだったなぁ。

佳哉とはバレンタイン当日の夜に、いつもの海沿いをドライブして、渡した。
手作りのケーキをもらうのは初めてだと、ものすごく喜んでくれた。
その後突然、運転席で私の方を向いて正座したと思ったら
「僕と結婚してください!」
と、プロポーズされた。
後部座席に指輪を隠していたようで、ゴソゴソと探したあと、私の目の前に小さなジュエリーボックスを出して見せてくれた。
私の誕生石のアクアマリンがハートで、その両端に小さなダイヤモンドのプラチナリングだった。
「指輪のサイズもわからなかったし、
 初めて買ったから、
 気に入ってもらえるかわからないけど。
 それに婚約指輪としては安いから、
 今度一緒に買いに行ってくれる?」

ビックリしたけど、可愛らしいリングで嬉しかった。
私は、少しサイズが合わないリングを左の薬指にしてもらいながら
「こんな優柔不断な私でいいの?」
と確認してみた。
「稀琳がいいんだよ!
 僕は今のままの稀琳と結婚したいんだよ!」
「佳哉がそう言うなら、結婚してもいいよ!」

私がそう返事したら、嬉し泣きする佳哉。
この日はホテルにも行かず、キスだけでバイバイした。

これは2000年2月のエピソード。
ここから私の試練が始まったことになる。
私の借金は、完済のゴールが見え始めた頃でもあった。
そして仕事の方は、大手電気メーカーの子会社である派遣会社に登録完了し、4月からユーザーサポートデスク(コールセンター)に勤務が決まったとこだった。

写真のリングが、その時のもの。
今はサイズ直しをして、ピンキーリングとして使ってます。
友人には【キライなダンナから貰ったのに使ってるなんて・・・】って言われるけど、ジュエリーに罪はないからね。
私の所有物になった時点で、私の好きなようにするんだもん!!

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