見出し画像

サピエンス全史をかる〜い感じでまとめてみました(第6章)

こんにちは〜^ ^

今回は神話の話ですね。

第2章の『虚構』の話は「何か理解するのが難しいなー」と感じてしまっていたのですが、

今回も眠かったせいか1回目に読んだ時はちんぷんかんぷんでした。

あ・ヤバ、挫折しちゃう…

というのを踏みとどまってもう一回読んでみると、あら不思議、意外と面白かったです。

気合い入れて読まないといけない章でした。ちゃんと睡眠とってから読みましょう\(^^)/


第6章 神話による社会の拡大

農耕民は縄張りを作り定住をしましたが、狩猟採集民の時の縄張りと比べると、劇的に小さかったそうです。

農耕民は家に対して愛情を持つようになり、せっせと設備を整えます。所有物も増えていきます。

=======================
農耕民の空間は縮小したが、時間は拡大した

=======================

狩猟採集民といえば、その日ぐらしで、「悩んでもしかたがない」といったマインドで生きていました。いちおう『アルタミラの洞窟壁画』で後世に作品を残すくらいの未来への想いはあったようです。

一方、農耕民は未来がとても重要で、未来のために働いているようなものでした。

農耕経済は季節の流れに沿った生産周期に基づいており、農耕民は毎日せっせと働かなければなりませんでした。

それは翌年、翌々年の食べ物の不安や、農耕につきまとう不確実性によるものでしたが、逆にこのような心配の種に対して「対策が打てる」といった見方もあります。

スクリーンショット 2021-07-17 0.46.15

こんな未来に対する農耕民のストレスが、大規模な政治体制や社会体制の土台となっています。

農耕民が汗水たらして作った食糧は没収され、その「余剰」によって支配者やエリートが台頭し、政治や戦争はもちろん、皮肉にも文化的活動の源にもなったのです。

=======================
歴史上の戦争や革命の原因は食料不足ではない

=======================

農耕民の余剰食糧と、輸送技術によって、小さな縄張りは村落→町矢→都市に発展し、最後は王国や商業ネットワークに結び付けられました。

この集団をうまくまとめるのが大変で、いくら余剰があっても不和が広がってしまいます。古代ローマ帝国は豊かさを極めたまさにその時に、内戦によって崩壊しました。


この紛争などの根本には、人類が何百万年も小さな集団で進化してきたため、大規模な集団に向いていないということがあります。

とはいえ狩猟採集民族は神話のおかげで何百もの他人と協力できていました。

第2章の『虚構』のところでやっていましたね!☝️

神話の影響力をなめてはいけません。人類の進化がカタツムリが這うようなペースなら、人類の想像力は光のごときネットワークを構築したのですから。

見事であることに疑いはないが、ファラオのエジプトやローマ帝国で機能していた「大規模な協力ネットワーク」についてバラ色の幻想を抱いてはいけない

「協力」とは名ばかりで、その大半は迫害と搾取でした。

ローマ帝国は裕福なローマ人が優雅にローマ文化を満喫してテルマエ・ロマエでしたが、このテルマエを作ったのは、奴隷たちですよね。

画像2


こんな理不尽な協力体制がうまくいったのは、想像上の秩序という「神話を信じる気持ち」に基づいていたからです。


======================
2つの神話の相違点と共通点とは
======================

神話についてはすでに第2章でプジョーが出てきましたが、ハラリは今回、2つの神話を例にしています。

その2つとはハムラビ法典(紀元前1776)と独立宣言(1776)です。

時代は古代と前代で全然違いますが、多くの人々の「協力マニュアル」としての役割を果たしたものです。

ハムラビ法典はバビロンの神々によって定められたとされる法典です。

世界最大の帝国だったバビロニア帝国の法制度の基盤となったもので、帝国自体が廃れてしまった後も、古代メソポタミア人の社会秩序のよりどころになりました。

「目には目を、歯には歯を」で有名なハムラビ法典ですが、ゴリゴリの身分制度でできていて、子供も親の財産扱いでした。

無題 - 2021年7月17日 07.01.08

無茶苦茶なルールですが、当時の人々はすべてそれを受け入れ、それに即して行動さえすれば、帝国の富と秩序は保たれ安全に暮らせるとされていました。


一方、ハムラビ王の死後から3500年後、北アメリカではイギリス植民地の住民が「イギリス王にはもうついていけねー('A`)」と宣言したのが独立宣言ですが、

これもまた神を信じる力が発端となっていました。


アメリカ合衆国の独立宣言は、この文書に即して行動すれば効果的な協力体制が保たれ、安全・平和で暮らせるとあります。これもハムラビ法典と同じですね。

とはいえ
●ハムラビ法典→ 人は平等ではない!
●独立宣言→ すべての人は平等だ

ここが正反対です。

ハラリにしてみれば、これは「どっちも間違い」なんですって。(*´◒`*)


=======================
校閲おじさん・ハラリのダメ出し!
=======================

ヒエラルキーや平等という普遍的で永遠の正義の原則は、あくまで神話の中の話だと、ハラリは言います。


おもむろに、ハラリは独立宣言の文の例を出し、次々とダメ出しをしていきます。

われわれは、以下の事実を自明のこととみなす。すなわち、万人は平等に造られており、奪うことのできない特定の権利をその造物主によって与えられており、その権利には、生命、自由、および幸福の追求が含まれる。

生物学では、人々は「造られ」たわけじゃない。人々は進化したのだ。

だれもが異なる遺伝子コードを持って生まれ、誕生の瞬間から異なる環境の影響をうけているのだ。

なんなら「造物主」もいねーし。(・ε・`*)

「与えられる」は単に「生まれる」だし。(・ε・`*)



こうしてハラリはアメリカ人が慣れ親しんだ独立宣言の文に、ガツガツ赤を入れていきます。
こんなんされたら、独立宣言作ったひと、泣いちゃうよぉ。。(≡ε≡;)カワイソ


そんな執拗なダメ出しに基づいて、作り直した独立宣言がこちら👇

我々は以下の事実を自明のものと見なす。すなわち、万人は異なった形で進化しており、変わりやすい特定の特徴を持って生まれ、その特徴には、生命と快楽の追求が含まれる。

‥うん🤗 「だから何」って感じ。

これみて夢も希望も湧きませんね。


まぁまぁ個体差はあるけど「本質は平等だよね」って信じて、みんな仲良くやってこ!⭐︎

と、いい感じにまとめたのが独立宣言です。

これが、まさにハラリの言う「想像上の秩序」であり、多数の人間が協力できる唯一の方法なのです。




=======================
やっぱ神話はもろい
=======================

「人権は想像上の存在だ」と人々が気づいたら、社会崩壊してしまわないのか?

…する可能性は大いにあります。神話は信じなくなった途端に消えてしまうものであり、社会はつねに崩壊の危険を孕んでいるのです。 


「サンタクロースが嘘だったなんて!パパとママなんて嫌いだ!」

って感じですかね(ヘタな例ですみません。。)

こうした想像上の秩序を守るには、努力が必要です。サンタ役のパパが頑張って煙突から入ってくる的な。

政治などの世界になると、時に暴力・強制なんて方法も取られることがあります。 

とはいえ暴力だけに頼るのも効果的ではありません。暴力を執行する軍隊ですら、何かを信じていないと秩序を保てないからです。

たった一人の聖職者が兵士100人分の働きをすることはよくある。

真の信奉者たちのほうがコスパがいいってことですね。

そして、意外とピラミッドの頂点に立つようなゴリゴリのエリートほど、自身が神話をキチンと信じてたりします。

「どうせ神様なんていねーよ」と、うすら笑いをしているような「冷笑家」の方が、強欲でない場合が多いのです。

近代の経済体制は、投資家と銀行家の大半が資本主義の存在を信じられなかったら、250年も維持しなかっただろう。



=======================
「想像上の秩序」の守り方
=======================

パパとママは、子供に「サンタはいない」と決して言ってはいけません。サンタがいることを信じてくれれば、子供はいい子にしてくれるからです。

「いい子にしないと、サンタさんがプレゼントをくれないよ」

と徹底的に子供を教育します。


…こんな感じで、日常には「想像上の秩序」が織り込まれている、という話をします。

■「想像上の秩序」は物質世界に埋め込まれている
例)現代の建築は「個室」を作ることで、個人主義という名の想像上の秩序を刷り込んでいる。

■「想像上の秩序」は個人的欲望を形作る
例)「旅行に行って見たこともない風景をみて、異国の料理を食べる」といった「経験」はロマン主義と消費主義の信仰の反映と言える。

■「想像上の秩序」は共同主観的である
例)プジョーという会社は、何億という人が共有する想像の中に存在しており、たとえCEOだけが突然プジョーを信じることをやめても、他の何億もの社員がいるので、CEOを交代してオシマイである。

これらを変えるためには、より強力な組織や制度を想像しなければならない。

無題 - 2021年7月17日 22.56




結局人類は、想像の秩序から逃れることはできないのです。



おまけ

=======================
「プジョー」登場しすぎじゃね?(・ε・`*)
=======================

さて、第2章で登場した「プジョー伝説」がしっくりこなかった私ですが、

第6章でも再びでてきたよ… 
なんでぷじょーなん_(´ཀ`」 ∠)_

という話を『朝渋』のサピエンス全史同好会(1章づつ読んで感想言う会です)で話していたら、

「なんかさー、あれじゃね?トヨタとかホンダとか三菱とか、そういう感覚なんじゃない?「日本人なら誰もが知ってる」的な…」


そっかーーーーーーー!はらおちしたー(ノv`*)


やっばりサピエンス全史は他の人と意見を交換しながら読むのがおすすめです(^^)
あと二日酔いの時とかには読まないほうがいいですよ。全然内容入ってこないですよ👍

サピエンス全史同好会は朝渋でやってるよー





サポートしていただけるととても嬉しいです! サポート金額は、しばらく眺めます。